片無去(カタムサリ)コケモモの咲く丘

コケモモの咲く丘をアイヌ語でカタムサリというそうです。厚岸から標茶方向へ少し北上し、釧路湿原・塘路方面に西に進む途中にカタムサリにつきます。夢風舎さんで軽食をとり、ご主人に許可をとって遊歩道を散步させていただいた。天気が良くて気持ちいい。

北海道の写真家のカレンダーを買って帰りました。

子供の時読んだ童話にコケモモジャムが頻繁に出て、パンケーキととともに美味そうだなと思っていました。想像が膨み、ホットケーキミックスで作る分厚いホットケーキをパンケーキと言われてもコレジャナイ、挿絵と違うと否定し、”男の子らしいロマン”を抱えたまま歳を重ねました。スプーンおばさんの挿絵では餃子の皮みたいなのがテーブルにうず高くハンカチのように積んであったのです。

IKEAには、北欧の庶民料理を出すレストランがあります。毒々しい青色のケーキ、ミートボール、マッシュポテトにダシをかけたもの、ザリガニなどを先入観なく美味しく食べ、スウェーデンをわかった気になりました。もっとも北欧のご飯を食べたのが唯一IKEAで”インプリンティング”に近いのだけど。スウェーデンアンバサダー初段ぐらいになったある日、正体不明の赤いびんづめジャムを何だかわからず購入、甘酸っぱく味も申し分なく美味しい。ラベルのlingonberry?はて、調べると、え?こけもも?これが。。。苔色をしていない。こんな赤いのか。

事が済んだ後で世間的な諸事情を知らされるシチュエーションというのは微妙なものだ。実はアタシ、コケモモなの。それを聞いた瞬間に受け入れられるかどうか度量が試される。残念ながら偏屈な私は受け入れなかった。正体不明の”リンゴンベリー”ジャムならば束の間愛したかもしれない。今まで通り、リンゴンベリーとして生きてくれないか、リンゴンベリージャムよ、すまない。

パンケーキに話は転じる。

セルビア人の英語教師から英語でセルビア語を習っていたとき、セルビアのパンケーキの写真を見せてもらったが、平たく薄い、日本で言うクレープで、パラチンケという(プラセンタ、胎盤に語源がある)。スプーンおばさんのパンケーキだ!それに具を巻いて食べる。a thin crêpe-like variety of pancake of Greco-Roman origin, common in Central and Eastern Europe. と定義される。バルカン半島は支配者が著しく交代する地域で、ローマ帝国やビザンチン帝国の版図でもあったから食文化の伝播も想像に難くない。

コケモモジャムを作っていたスプーンおばさんを書いた人はノルウェー人である。北欧のパンケーキも検索したら日本のクレープ形状であることがわかった。イギリスのパンケーキもクレープ形状。ふくらし粉が入らない。一方で、アメリカのパンケーキはふくらし粉が入っていて、日本のホットケーキと同様分厚い。(アメリカではふくらし粉を使わないクレープタイプのパンケーキを”わざわざスウェーデン風パンケーキ”と呼び習わす)。ヴァイキング時代にシチリアくんだりまで来ていたノルマン人がクレープタイプパンケーキをローマからノルウェーに伝えたのだろうか。

Take home messege

・ギリシア・ローマ文化圏(北欧、中欧、東欧、イギリス)のパンケーキはクレープタイプでふくらし粉を使わない薄いものを指す。北米と日本とでは、パンケーキはホットケーキタイプでふくらし粉を使った分厚い物を指す。

・日本のクレープ=ヨーロッパのパンケーキ(=アメリカのスウェーデン風パンケーキ)

・日本のホットケーキ=アメリカのパンケーキ(欧州にはホットケーキはないか別のくいもん)

・日本では、 “クレープ”という言葉がヨーロッパの薄いパンケーキを指すために使用され、”ホットケーキ”がふくらし粉入りの分厚いアメリカ式パンケーキのことを指すため、スプーンおばさんの挿絵の薄いパンケーキを理解するときにアメリカの分厚いパンケーキが介在して混乱が生じていた(私だけか)。

・日本のクレープ屋でイケアのコケモモジャムなどを載せれば、スプーンおばさんの挿絵のパンケーキの構成に近いかもしれない。

コケモモの咲く丘という名のカタムサリでコケモモを見つけられるかなどそっちのけで、良い景色を楽しんだ。希望が丘で希望があるかどうか確かめる人がいないのと同じで、世の中の事物は確かめても何も得られず、失うことのほうが多い。浜茄子の実をみて、時代劇に出てくる悪役の子分のように捻くれた面構えに衝撃を受け、浜茄子観の修正を強いられた。世の中綺麗事ばかりではない。厳しい現実を受け入れ、世間に折り合いをつけ、妥協を重ねるのが高尚であるという、フン!知らなくていい現実なんて知りたくないんだよ。現実を知って何かを失うぐらいなら知らないままのほうがマシだ。


ふと、既視感。ウインドウズXPの背景を思い出しました。

これは私の撮ったものではなく、
WindowsXpの壁紙。
“Bliss.”
[Image copyrighted, used under fair use.]

このウィンドウズのBliss の題材となった丘は既に農地開発されもうありません。あると信じたいかもしれませんが。

コメント

  1. […] 火散布 カタムサリ コケモモの咲く丘 釧路湿原サルポ展望台 釧路コッタロ湿原展望台 […]

タイトルとURLをコピーしました