マンガーの投資術

読書メモ

「マンガーの投資術」投資の心構え半分、人生訓みたいなのが半分。バフェットのかんがえを導いた人。投資の素養には忍耐や勇気が多く占め、投資哲学書の趣き。

チャーリー・マンガーはバフェットの右腕で、バークシャー・ハサウェイを設計した。「そこそこの企業を割安で買おうとするのではなく、ワンダフルな企業をフェアな価格で買いなさい」とバフェットに諭した人。バフェットもマンガーもオマハの人。

オマハの場所について。

First Transcontinental Railroadはアメリカで最初に敷かれた横断鉄道。ネブラスカ州オマハと、カリフォルニア州サクラメントを結ぶ。1869年開通、西部開拓に貢献。エイブラハム・リンカーン大統領の業績。現在はAmtrakが引き継ぐ。

Cave cattum – 投稿者自身による作品  https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=783429による
amtrak HPより引用

オマハにはもう一つ鉄道が走っていた。バーリントン鉄道という。現在のBNSF(バーリントンノーザンサンタフェ鉄道)に引き継がれる。

オリジナルのアップロード者は英語版ウィキペディアのElkmanさん https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=3606788による

オマハはミズーリ川の西の渡津、西部への入口。食肉加工のセンター的場所、そして鉄道が交差する場所という特徴をもっていた。オマハは、シカゴと並んで肉の町。

マンガーはオマハ生まれ、軍で気象学を勉強し、ハーバードロースクールで学び、経営や経済の専門家では必ずしもない。弁護士。マンガーとバフェットは意気投合し投資業を始める。マンガーは投資業に本腰をいれるため、弁護士業をやめた。以下気に入ったところを「箇条書き」。その他は私見

・「大きな資本を必要とせず、事業拡大や新規事業に再投資できるフリーキャッシュが豊富な会社の優位性を認識するようになった。」

・「マンガーは一度たりとも分散投資戦略を信じたことはない。」

・「レバレッジの危険性を説いた。」ただし初期にはアービトラージ取引でかなりレバレッジを効かせた取引もしている。

・マンガーの投資哲学の前提は「近視眼的な株式市場では長期的企業価値に対してときに割安になること」。そのときに何もしないのは怠慢である。

・マンガーはフレディーマック(連邦住宅金融抵当公庫)の破綻前に悪い兆候を見て売り抜けた。フレディーマックが「新しい事業に手を拡げ、短期資金を借り入れて、長期で貸し出した。」ため。キャリー・トレードとも言う。リーマン・ブラザーズも同様なことをして破綻した。証券会社である投資銀行は本来、証券仲介業と企業の資金調達のアドバイスをするべきだが、まるで銀行業のようにふるまった。すなわち、市場で安い金利で短期資金を調達し、長期債権や住宅ローン担保証券に投資したが、短期資金をつなぐことができなくなり破綻した。長期投資対象は流動性が低く一旦信用不安が生じると売ることが難しいためだ。今現在中国でもシャドーバンキングが問題になっている。規制の強い銀行で、シャドーバンキングの商品が併売されている。少しでも稼ごうとして、短期資金を借り入れて、流動性の低い案件に投資し始めたら先行きは不安に思うべきだ。

・ベンジャミン・グレアムの方針、簿価割れの株価、または株価収益率が低い銘柄を買い、企業の本源的価値を超えたら売却するべき、という考え方に対してマンガーは、圧倒的成長力を持てた企業が企業の本源的価値を成長させ続けることを重視した。長期継続的に成長が続くならばPERが多少高くても長期投資することは割安であるという考え方になる。配当額も増えると、初期投資額に対する配当利回りは膨大になる。企業自体の複利効果を反映した株価の値上がり益も大きい。

・アナリストが当たり前の良識を持ち合わせていなければなんの役にもたたない。つまりアナリストは利害関係で動いている、人を騙してでもクライアントのために発言する。私もほとんど信用しない。

・間違った価格になる理由は、市場の主なプレイヤーが6ヶ月先のことにしか興味のないヘッジファンドや投資信託が大半だから。

・「EBITDAという言葉を見るたびに、でたらめな収益という言葉で置き換えるべきだと思う」(マンガー)・・・企業の収益力を見るだけなら当期純利益を指標にすれば良いが、EBITDAは税金、支払利息、減価償却費が控除されている。EBITDA=税引前利益+税金+減価償却費。つまり、減価償却前営業利益のこと。つまりキャッシュフローベースの真の利益がわかるものだが、マンガーもバフェットも重視していない。EBITDAが示すものは営業キャッシュフローでしかなく、投資キャッシュフローを考慮していないから、つまり本当に大事なのはフリーキャッシュフロー(手残り現金)。EBITDAの値は設備投資やM&Aで大きくなるが、損失をマイナス要因として取り込めない点が欠点。キャッシュフローの裏付けのないものに無理やり価値を付けるためにEBTDAを利用している場合がある。ソフトバンクがEBITDAを強調して融資を取り付け、M&Aを繰り返している。ソフトバンクは営業キャッシュフローが大きい割に、フリーキャッシュフローが少ない。取りも直さず利益率が低いことを意味する。

・「ファンナンスはその本性から大きくなりすぎようとし、それが不快な過剰になる。
もちろん私は嫌いだし、国のためにもならない。不快な過剰が大恐慌につながり、ヒトラーの台頭につながったと考えている。不快な過剰、愚かさ、貪欲などのために最後には大きなツケを払うことになるだろう。」

・「百年に二度か三度は株価が半分になることもある。そんな事態に直面したらとても冷静ではいられないというのであれば、株主になるのはやめたほうがいい。どんな時も落ち着いてい哲学的に市場の変化に対処できる人でなければ、マーケットで良い成績を残すことはできないだろう。」

・「平凡な事業を手掛けているのに経営者が非常に優れている会社に投資することが成功につながるのは極めて稀である」要はその経営者がいなくなったときに事業は継続しなくなるから。

・「バークシャー・ハサウェイの経営方針はかなり保守的である。あまりレバレッジをかけていないことに満足している。」レバレッジは借金そのもの。バークシャー・ハサウェイの投資対象として負債資本比率が高い会社に投資することを避けてきた。

・「バークシャー・ハサウェイではマスタープランが存在したことがない。マスタープランがほしいというような人はクビだ。なぜなら、マスタープランは独り歩きし、新しい現実に対応できなくなるからだ。私達は、常に新しい情報と向き合っている人がほしい。」

・「合理的であることは道徳的要請である。愚かであってはならない」感情に任せて狼狽売りしたり追っかけて買ったりしないことを直截には言っている。カントは道徳の本質を合理的であることと考えた。行動原理は道徳的であるべきで感情的ではなく合理的であるべき。感情で動くのは愚かである。

・「ほとんどの人は一つの方法ー例えば経済学ーを学び、その方法であらゆる問題を解決しようとする。「金槌を持つ人には全てが釘に見える」という諺もある。物事に対処する上で、これほど愚かなやり方はない。」

・「真実を語りなさい、そうすれば自分がついた嘘を覚えておく必要がなくなる」正直であることの大切さを繰り返し説いている。

・「良いキャリアを築くためのルールがみっつある。1)自分自身が買おうと思わないものを売らないこと、2)尊敬しない人のために働かないこと、3)一緒に仕事をして楽しい人々とだけ働くこと」

バフェットの考えとよく似ている。というより、チャーリー・マンガーからバフェットが影響されたようだ。

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