吉原御免状-2 隆慶一郎

読書、気づきや、知らない言葉を調べてメモ。

p86~p491(おわりまで)

猪牙と申す船だそうで・・

猪牙舟・猪牙船(ちょきぶね)は、猪の牙のように、舳先が細長く尖った屋根なしの小さい舟。江戸市中の河川で使われたが、浅草山谷にあった吉原遊廓に通う遊客がよく使ったため山谷舟とも呼ばれた(wikipedia)


文化年中(一八〇四ー十八)には吉原通の猪牙がなんと七百余艘あった。

猪牙舟。江戸職人歌合. 石原正明著 (片野東四郎, 1900) wikipedia

ちなみに、じゃんけんのチョキの語源は?手の人差し指と中指を伸ばし残りの指を全て閉じた形は「はさみ」の形であり、はさみは「ちょきん」と紙を切ることから。


突如、裂帛の気合が響き、誠一郎の肉体は、真後に六尺の高さで飛んだ。

裂帛の気合 絹を切り裂く音、時代小説で慣用される。侍が太刀で斬りかかるときに発する。

亡八者 ぼうはちもの 仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の八つの徳目のすべてを失った者の意 ≒遊里で遊ぶこと 遊女屋の主人

敵娼 あいかた 「敵」は匹敵や好敵手のほうが古い用法で「敵う」の意味

上臈 じょうろう 上流の人、身分の高い人、格式の高い家の女性。転じて遊女、女郎。女郎の語源。


新吉原の屋根は、こけらぶきに決められている。そこに火災防止用の天水桶がでんと据えられ・・・

杮葺(こけらぶき) 屋根葺手法の一つで、木材の薄板を用いて施工する工法である。板葺(いたぶき)の代名詞にも使われる。日本に古来伝わる伝統的手法で、多くの文化財の屋根で見ることができる。なお、「杮(こけら)」と「柿(かき)」とは非常に似ているが別字である。

wikipedia

天水桶≒雨水タンク 社寺建築の豆知識 より引用 「寺の近くで火事があったときの延焼を防ぐために、鎖の下がった場所の屋根に梯子を掛けて登り、鎖で屋根のてっぺんまで登って屋根に水を撒きます。」しらなかった!

くぐつ 傀儡子 傀儡は操り人形のこと。流浪の民や旅芸人のうち狩猟と傀儡(人形)を使った芸能を生業とした集団。平安時代にはすでに存在。人形芝居の源流。後に寺社に抱えられた。傀儡女は遊女の一種だった。傀儡子の芸はのちの猿楽に昇華し、操り人形はからくりなどの人形芝居、江戸時代に人形浄瑠璃に発展し文楽となる。その他の芸は能楽や歌舞伎へと発展していった。


秋雨が蕭条と降っていた。

蕭 よもぎ。物寂しい、静かな様

蕭条 物寂しい様子。ひっそりしている様。「ーと風が吹く」(≒蕭然 「ーとして人影もなし」)

金地院崇伝(以心崇伝):字は以心、法名が崇伝で、南禅寺金地院に住したため、金地院崇伝(こんちいん すうでん)とも呼ばれる。本光国師の称は、寛永3年(1626年)に後水尾天皇の師となり授けられたもの。足利義昭家臣一色氏の側近であったが信長が義明を追放したあと、南禅寺で出家(1573)、1608年。徳川家康にまねかれ、江戸幕府の法律の立案・外交・宗教統制を一手に引き受け、その権勢から「黒衣の宰相」の異名を取った。岡本大八事件後に家康からキリスト教禁教の起草を命ぜられた。寺院諸法度、武家諸法度、禁中並公家諸法度の制定に係る。優秀なブレーン。学僧。朝廷がみだりに紫衣や上人号を授けることを幕府が禁じた事に対し、後水尾天皇は幕府に諮らずに紫衣着用の勅許をあたえた。幕府は法度違反とみなして無効を宣言、対し朝廷は沢庵宗彭ら高僧らも同調して幕府に抗弁書を提出、しかし高僧らは出羽国や陸奥国に流罪。後水尾天皇は退位し上皇に。 幕政に大きな力を持っていた以心崇伝の失脚後は、老中による合議制となる。


悪鬼羅刹の修羅を生きると思われる。

羅刹天:

羅刹は鬼神の総称。別名涅哩底王(Nirrti-rajaの音写、ラージャは王で、ねいりちおう、にりちおう)。破壊と滅亡を司る神。地獄卒のことを指す。四天王の一である多聞天(毘沙門天)に、夜叉と共に仕える。

四天王ってどこにおるん? →下の須弥山の中腹で洲を守っている。

(四天王の上司が帝釈天)

ビルマの四護神を表した図 wikipedia

順番は麻雀、東南西北

持国天 東方担当 東・勝身洲(トウショウシン洲) 

・持国天は乾闥婆(けんだつば Gandharva)を眷属とする。ケンダツバはケンタウロスと同源。

増長天 南方を守る。南・贍部洲(なんせんぶ州)担当。

・増長天はpreta( a hungry ghost)を眷属とする。別名”餓鬼”

広目天 サンスクリット語では本来”多くの目”だが、千里眼と拡大解釈され広目と訳された。西を守る。西・牛貨洲(サイゴケ州)

多聞天 ヴァイシュラヴァナの音訳が毘沙門天 サンスクリットでクベーラは同じものを指す。財宝の神。意訳がよく聞く者で多聞天、多聞天=毘沙門天。北方担当。北・倶盧洲(ほっくる洲)をまもる。夜叉羅刹を眷属とする。

・夜叉:ヤクシャから。インド神話では鬼神の総称、バラモン教の精舎の前門には一対の夜叉像を置き、これを守護させていた。現在の金剛力士像はその名残といわれる。仏教に包括されると北方を守る毘沙門天の眷属に。日本語で夜叉は凶悪な人間の比喩として使われる。

羅刹天:ヤクシャと同様、アーリア人のインド侵入以前からの精霊。ヴェーダ神話ではスリランカを根城。ヒンズー教では魔物、仏教では毘沙門天の眷属として守護役。獄卒として往生要集に描かれている「羅刹の頭、夜叉の口、64の目を持ち」(なんかムチャクチャやな・・)

wikipediaから

古代インドの世界観、ケーキみたいだ。

真ん中にそびえる須弥山(しゅみせんはスメル山に漢字をあてた。意訳は「妙高」、つまり妙高山≒須弥山)、最下層に風輪、上に水輪、金輪。チベットのカイラス山はチベット仏教で須弥山と同一視、五体投地をチベット人がやる崇拝の対象(河口慧海チベット旅行記に書いてあった)

「宇宙」とは虚空(空中)に「風輪」という丸い筒状の層が浮かんでいて、その上に「水輪」の筒、またその上に同じ太さの「金輪」という筒が乗っている。そして「金輪」の上は海で満たされており、その中心に7つの山脈を伴う須弥山がそびえ立ち、須弥山の東西南北には島(洲)が浮かんでいて、南の方角にある瞻部洲(せんぶしゅう)が我々の住む島と考えます。そして「金輪」の最も下、「水輪」との境目を金輪際といいます。この境目は地上の島に住むわれわれ人間からすれば、はるかな底であることから、「物事の極限」を意味するようになりました。江戸時代の『東海道中膝栗毛』には「聞きかけたことは金輪際聞いてしまはねば気がすまぬ」とあり、もともとは打ち消しを伴わない表現がされていました。それが「徹底的に」「どうしても」などの意味から、現在では打ち消しの語を伴って、「決して」「断じて」の意味として用いられるようになりました。(天台宗HPより引用)

須弥山中腹には日天と月天がまわっている。須弥山の高さは八万由旬といわれ、中腹に四大王天がおり四洲を守る。須弥山山頂の忉利(とうり)天に善見城がありインドラ(帝釈天)が住んでいる。須弥山には甘露の雨が降っており、それによって須弥山に住む天たちは空腹を免れる。wikipedia

甘露のど飴って、須弥山に降る雨、あめ、飴なんだ!


隨身:主人に仕える ずいじん

どたん場:刑場

以上。

ネタバレはしません。娯楽としては面白かった。//

コメント

タイトルとURLをコピーしました