売り口上

霊験あらたかな妙薬はその成分がよくわからないほど一層ありがたい印象を与える。ガマの油の成分「蟾酥(せんそ)」難しい文字がありがたい。ガマガエルを小箱に入れガマが汗を垂らす、その体液がガマの油の有効成分、蟾酥(せんそ 読めない!)。呪文のようなカタカナの成分もありがたい。「ヴァン・ヘイレン」とか「アジャリ様」とか「アミダニョライ」とか「ヤジャーガマ」と聞いて無批判にカッコいいと思うあの感じに似ている、語源がよくわからないほうがなお良い。科学的背景を知らずに特殊成分を鵜呑みにしてありがたがっている。

シャンプーの特記表示

フケとりシャンプーを「ジンクピリチオン」配合のものから「オクトピロックス」配合のものに変更した。よくわからないカタカナの文字列が神の呪文のようにありがたいのだ。有効成分はスーパーの目玉商品みたいに他の含有成分を押し退けて特筆される。まるで四番バッター「オチアイ」みたいに。

調べていたらメリットシャンプーに「ジンクピリチオン」が居なくなっていた。どうやら生活排水が生態系を乱すという評価によってやり玉にあがり、「ジンクピリチオン」は「グリチルリチン酸ジカリウム」に特殊成分の座を譲っていた。ジンクピリチオンという鹿爪らしい化学名は単なる虚仮威しではなく水生生物に影響を与えるほどの”実力(毒性)”を持っているのだ。ぜひジンクピリチオンに戻してほしい。

https://www.maff.go.jp/j/syouan/johokan/risk_comm/r_kekka_nouyaku/h161022/pdf/summary.pdf より引用。千葉大学園芸学部本山直樹教授の意見。

上のPDFは平成16年(2004年)の記事で、メリットの成分からジンクピリチオンが消えたのが2006年4月。呼応しているか。環境は大事です、ジンクピリチオン、ダメ絶対、酒井法子からのお願い。。

グリチルリチン酸ジカリウムと聞いて、中村雅俊を思い出した。

1992年 CM 中村雅俊 LION ライオン歯磨き

歯磨きの成分がフケトリ。。。グリチルリチン酸ジカリウムは「抗炎症作用」。歯茎の腫れと、頭皮のかゆみに効くのだ。

鉄が利用できないと生物は生きられない。ミトコンドリアでのエネルギー産生に欠かせないから オクトピロックスは鉄代謝を阻害する

【ヤッターマン】第1話 「ヤッターマン出動だコロン」 (タイムボカンシリーズ) #タツノコ #名作アニメ #ヤッターマン #タイムボカン

オクトピロックスは商品名、薬品名をピロクトンオラミンと呼ぶ。オラオラ系の名前で強そう。細菌にも真菌にも効果がある。化粧品には防腐剤として用いられる。

説明しよう(ヤッターマン風にその作用機序を)。鉄は生物のエネルギー代謝に欠かせない。生物の鉄利用を阻害すれば生物のエネルギーを枯渇させることができる。オクトピロックスは鉄をキレート化して鉄を生物利用できなくする。生物の細胞内におけるエネルギー代謝はミトコンドリアで行っているが、鉄がないとエネルギーを作る仕事ができない。つまりオクトピロックスは外来微生物を鉄不足にして兵糧攻めする、驚異の抗菌作用を持つノダッ!

おまけ、感染症にかかると人間は血中鉄濃度を自動的に減少させる。もう、賢明な読者諸君はおわかりだろう(えらそうに・・・)、バイキンマン(原因菌)のエネルギー工場(ミトコンドリア)での鉄利用を阻害しエネルギー不足にさせることで菌をやっつけているのだ。血中鉄濃度を下げることで感染防御できるのだが、その一方で永く続くと人間自体も貧血になる、いわば諸刃の剣である。

まとめると、鉄の貯金はあるのに宿主側が金庫に鍵をかけて鉄の流出を防ぎ鉄利用を障害する。外来細菌は鉄が使えなくてお腹がペコペコになりタジタジとなる。これと同じことを行うのがオクトピロックスの驚異の抗菌作用デアル!

アリナミンの「アリ」はニンニクの主要成分である「アリシン」に由来

ビタミンB1は肉などに含まれて、別名チアミン

「フルスルチアミン」はチアミン(=ビタミンB1)にフルスルがくっついて吸収しやすくしたチアミンの誘導体。

ニンニクの主成分はアリシン

ニンニクをステーキになすりつけてから焼くと美味しい。あれはビタミンB1の吸収がよくなるので理に叶っている。ニンニク成分アリシンにビタミンB1(チアミン)の吸収を助ける作用があることから、アリシンの化学構造とチアミンとを化学合成してくっつけたら吸収が良くなりました、という話。それが、アリシン+チアミン=アリチアミン。吸収されたアリチアミンは体内でチアミン(ビタミンB1)に戻って活性をもつ。

Thiamin.svg

チアミン
Allithiamine.png
アリチアミン

ところがアリシンはニンニク臭い。ニオイが気にならないように改良したのがフルスルチアミン。

アリナミンの「アリ」はニンニクの主要成分である「アリシン」に由来があるんじゃよ。

フルスルチアミン - Wikipedia
フルスルチアミン

猫がネズミを食べるわけ タウリン不足だから

「タウリン」はラテン語で雄牛を意味する「タウルス(taurus)」に由来。強そうだ!タウリンはイカ・タコにたくさん含まれる。するめの表面に出る白い粉はタウリンが凝縮されたもの。イカ・タコの神経組織のアミノ酸の半分はタウリンでできている。タウリンは遺伝子が直接コードしておらず、生体内で含硫アミノ酸から酵素で生合成されるのみで、その酵素はDNAがコードする。タウリン合成酵素の保有に生物差があり、例えば猫はタウリンを合成する酵素を持たないのでタウリン不足だが、ネズミにはタウリン合成酵素があるのでタウリンが多く含まれる。つまりトムとジェリーのトムはタウリンを補給するためにジェリーを追いかけているのだ。トムにタウリン入りのドリンクを投与すれば、おそらくジェリーを追いかけることはなくなると考えられる。

付記 猫を飼っている方はご存知だろう。猫にイカ・タコなど軟体動物をやることは禁忌である、腹壊す。

Skeletal formula of taurine
タウリン 酸素分子が雄牛(タウロス)の角にみえませんか

淫羊霍 インヨウカク

学生のころ、試験前にドリンク剤を使っていた時期があった。怪しげなドリンク剤を色々試したものだがユンケルなどに含まれる漢方系の成分で「淫羊霍」インヨウカク、という怪しげなネーミングの成分がある。大学の友人と話したものだ「ユンケルを飲むとあそこがウズウズする、淫羊霍が効いて勉強に集中できない」云々。明朝時代の薬学書『本草綱目』「四川に淫羊という動物がおり、1日に百回も交尾する。それは藿(イカリソウ)を食べるためであって、故に藿を淫羊藿と名付けた」とある。

「支那の奥深くでしか取れない古来の秘薬」などとインチキ臭い説明がつくと無条件に私は興味が湧く。よくわからないものほどわからないだけに一層ありがたいのだ。インチキとありがたいとは紙一重である。

https://www.yunker.jp/syoyaku/ss01/ より淫羊、もとい引用

淫羊が実在するのかググったら羊は出てこなくて、怪しげな商品が沢山出てきてうめつくされた。今も昔もこの界隈の下卑てみだらである感じは全く色褪せることがない。赤ひげやあーっきょく~♪

医薬品と広告

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/yakuyou_kounou_1.pdf

厚生労働省、医薬食品局の定める有効成分リスト。これに含まれる成分以外のものを特記表示するときは届けが必要になる。怪しい中華のサプリメント等が通信販売されているが何が入っているかわからない。日本製には規制がある。

https://www.jiho.co.jp/Portals/0/ec/product/ebooks/book/47004/47004.pdf

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(略称 薬機法)。薬事法から薬機法に数年前に改正された。医薬品+医療機器で「薬+機」法。医療機器にも効く効かないの怪しい表示があるから。

http://www.tokyo-eiken.go.jp/files/webkousyuukai/other/b3fd3300910502de705e8a6027d4488f1.pdf

医薬品等適正広告基準について(東京都福祉保健局)より引用。広告における「タウリン2000mg配合!」など訴求したい成分を目立つように付記することを「特記表示」という。成分量や配合目的を併記しなければならない。なんmgというのは表示義務に基づく。配合目的を書かないといけない。

歴史も謳ってはいけない。

使用体験談は認められない、でも結構よく見かけますね、個人の感想ですが・・・。

目薬で爽快感を強調する広告は認められない。

織田裕二のキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!はNGということになる。爽快感を演出しているから。まてよ、織田裕二が暑苦しいから爽快感が相殺されていてOK、ということですか、ああそうですか・・・。

1992年CM 参天製薬 サンテFX キター 織田裕二 KODO-鼓動-

売上ナンバーワンという表現を「最大級表現」という。英文法の「最上級」みたいなもんか。これもダメだ。

「ナンバーワン」でGoogleるとたくさんヒットする。どうやら会社を取材してメディアで紹介するという体裁をとっている番組や記事のようだ、が実質は広告。一般の広告の規制を回避するために、広報PR活動、プレスリリース、ニュースリリースという抜け道を利用しているように思える。それを専業で補助する会社の株価があがっているようだが・・・。いずれ規制が入るであろう。WEBだからといって広告規制の法令の考え方が当てはまらないわけがない。いまやWEBはインチキの温床である。アマゾンレビューも仕込みじゃないのかと思うことがあってアマゾンでは買い物しなくなった。

薬局で売ってるドリンク剤、どれが効くって薬剤師さんに聞くのはいいけど、「薬剤師さんがおすすめ」という広告に付記することはダメ。

WEBでナンバーワンと言うのは取り締まるべきだ。だが大道芸の伝統文化は守るべきだ。

市販薬や化粧品の広告は昔からオーバーでインチキ臭い。テレビなどの通販をみていると、むしろインチキ臭いことが”公知の事実(デフォルト設定)”とさえ感じる。これはガマの油売やキリストの奇跡(大道芸ともいう)に通ずる伝統文化に類するものと考える。しかし両者は区別されなければならない。

キリストの奇跡は真実である、聖書は無謬であるから

キリストは悪霊を追い払い、病気を治す。重い皮膚病(ハンセン病)を患っている人に触れて病気をいやしたり <マルコ 1:40> 38年間病気で苦しんでいる人を癒やしたり <ヨハネ 5:1> 手の萎えた人を癒やしたり <マタイ 12:9、マルコ 3:1、ルカ 6:6> 十二年間出血が止まらず苦しんでいた女がイエスの服の房に触れた途端、出血が癒えたり、 <マタイ 9:18、マルコ 5:25、ルカ 8:40> 盲人の目を見えるようにしたり <マタイ 9:27> 水腫の人を癒やしたり。 <ルカ 14:1> 

耳が聞こえず舌の回らない人をイエスは群集の中から連れ出し、指をその両耳に差し入れ、それから唾をつけてその舌に触れ、そしてその人に向かって「エッファタ(開け)」と言うと、その人の耳が開き、舌のもつれが解けてしゃべれるようになったり <マルコ 7:32> 盲人の手をとって、村の外に連れ出し、彼の目に唾をつけ、両手を彼の上において癒やすと彼はおぼろげに見えるようになり、イエスが両手をその目に当てると今度ははっきりと見えるようになったり <マルコ 8:22> 盲人バルティマイの目を見えるようにしたりする。<マタイ 20:29、マルコ 10:46、ルカ 18:35>> イエスは、エルサレムで生まれつきの盲人の目に唾と土をこねて塗り、シロアムの池(Pool of Siloam)で洗うようにと告げる。彼がシロアムの池に行って目を洗うと見えるようになる。 <ヨハネ 9:1>

感覚障害は傍証を得にくいもの。視覚も感覚であり主観であり本人が見えないということを証明する手立てがない。視覚障害の詐欺が多いのは事実である。けれども、キリストの奇跡が仕込みじゃないのって思ってはいけない。聖書は無謬であるのだから。

日本の伝統文化 啖呵売 大道芸

ガマの油という「万能薬」、万病に効く「七味売」それにバナナの叩き売りなどの大道芸はエンタメ性があるから好きだ。いかにインチキ臭くても向こうは一線を越えない、こちらも読解力があるという前提で見ていられる。インチキ臭くても面白いから、騙されたと思って投げ銭的に買う。電気店やカメラ店でもいまだに何かを購買するときの店員のトークがうまければ買う(ex ジャパネットたかたとかトーカ堂のキタサン)。こんなに面白く丁寧に説明してくれるという気分で買ってしまうことは存在する。大道芸の時代と現代とで人はそれほど発達しているわけではない。

見慣れたガマの油売りと、無規制なWEB広告とは扱いを変えなければならない。

WEB広告は悪意に満ち満ちているし慣れ親しんだものではない。ジジイババアにヤシ臭い売り口上でクソ高い羽根布団を売りつける悪質なヤクザと、WEBでPRを仲介している会社のやっていることとはさして変わらない。それらの共通点は見たこともない外来種であることだ。新参者の演ずる「広告」「売り口上」は伝統芸の売り口上と比べて評価が難しい。見慣れたものがヤシをするのと見慣れないものがヤシをするのとは違う。

WEB広告の多くは新参者であり信用できるかどうかわからない奴らであるから医薬品や食品を取り扱う以上一般の広告規制と同様に厳しく規制されるべきである。見慣れない輩は何をしでかすかわからないという排他的な田舎根性に基づく偏見の大発露であるけれども。あの手この手で新手の詐欺を繰り広げるWEB広告は絶対悪であり下品だ。

その一方でガマの油売等の日本の伝統文化はテキトーに守るべきである。お気づきだろう、私は紛うかたなき”ダブルスタンダードマン”である。テキ屋の啖呵売りは法の埒外に置くべきと考える。伝統的な様式美を繰り返す啖呵売や大道芸はいかに口が上手くても本質的に善である。WEB広告と同じ規制を彼らの伝統芸にかけたら廃業せざるを得ない、文化の破壊行為であり間違っている。ガマの油売りに騙されたと本気で思う方がいたら名乗り出てほしい。

”文化保護”の名のもと、本来商売の様式から、様式の目的である商売を禁じ、中身スカスカの様式だけを保存するというやり方もちょっとどうかと思う。形骸化した祭りや様式というものは本来の祭祀性や目的を取り除いて現支配者が”無害”にして継続させたものといえまいか。(ラグビーのハカとか神社のまつりなども)

口上・ガマの油売り
間六口のバナナの叩き売り
男はつらいよ啖呵売・総集編その1
包丁売り(佐賀県)
2019年版今宮十日戎、名物露店 堺・直次郎包丁の啖呵売
【七味唐辛子】お祭りの屋台での見事な口上(啖呵) 関西弁ver.
ハブの薬売り(大阪)

【コメ付き】3300円の、3回払い!【QVC】

最後、お客さんの感想がアツい!面白いから許可。。。

【コメ付】QVC福島ガバガバシーン集その10

現代の香具師 テレビショッピング、これも面白いから好きだ。

シャンプーの成分の話から香具師の話に脱線。ではどうぞ良い週末をお過ごしください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました