モバイルバッテリーの健康診断

テスターで寿命を判定します。初期の何%に容量が落ちたか。

使用機材 rt-usbvac3qc。5年前に買いました。後継機は次のようになります。

https://www.yodobashi.com/product/100000001006145904/

バッテリーの性能を表す「10000mAh」などを「放電容量」といいます。例えばボトルに入っている水の量「500mL」みたいなものです。

ところが放電”容量”とは言え、電池の容量というのは概念的で体積で測ることができません。測定はこうやります。例えばガムを噛んで味が何分持つか、おいしい×何分でガムの味の容量が計算できますが、同じように味の濃さ(電流)×時間で電池の容量を計算します。

10000mAhのモバイルバッテリーは10000mAの電流(ガムで言えば味)を1時間流せます(買ったときにパッケージに書いてあります)。mAはミリアンペア、hはhour、時間です。mAhは「mAを1hour流せる」という容量を意味する単位です。

別の例えをすれば、ペットボトル600mlの容器から、一分間に10mlずつ流すと、60分間流れる。もしペットボトルが隠されて目に見えないとき、流れてくる量と時間を測れば、掛け算でペットボトルの容量を当てることができます。

本題に入ります。モバイルバッテリーは劣化します。バッテリー自体が初期フル充電状態で10000mAhであったとしても、使っていると放電容量は下がってきます。例えば、500mlあった容器が300mlに小さくなるイメージとなります。電池から流れてくる量(つまりこれ、電流と言います)を全部足し算し、放電が完了するまでに流れた電流量の合計が今の電池の実力「放電容量」となります。この積算電流量を測定するテスターは、フル充電から完全に放電させるまでの積算のmAh値が刻々と表示されます。経時的に通過した電流量を足していきますので、見ているとmAhが少しずつ増えていきます。まるで貯金が増えていくみたいで見ていて楽しいです。電流のみえる化。

この数値は少し補正が必要となります。理屈を説明します。

パッケージに書いてある10000mAhは3.7Vでの数値となります。3.7Vというのはナマのリチウムイオン電池から出る電圧で、乾電池が1.5Vなのと同様に取り決められた値で3.7Vはリチウムイオン電池の世界共通規格です。実はモバイルバッテリーの中には内蔵回路があってリチウムイオン電池から出た3.7Vをもとに回路で昇圧し出力電圧を5Vとしています。例えば魚をお刺身にして出すような感じ。定格電圧5Vに昇圧し安定した電圧で出力します。5Vの一定電圧優先で、電流は変動しながら通過していきます。

なぜ5Vの定圧にするかです。電池は放電が進むと電圧が下がります。乾電池で電池が切れてくるにつれモーターの回転がおそくなるように。電池が息切れしてきても、回路を挟むと電圧を上げてある程度補正してくれます。このように上げ底していますから、真の電池の残余放電容量を知るには、3.7Vでどれくらい電流を出したかを知る必要があります。このために、5Vで出力されたものに、その電圧5Vをかけて一旦積算電力量を出します。

電力(ワット W)=電流(アンペア A)×電圧(ボルト V)

それをリチウムイオン電池の公称電圧3.7で割ってやります。現在の放電容量が3.7Vでどれくらい出せるかを知り、劣化具合を調べます。

被検者 Panasonic QEQL201 (かなり年季が入っている 大年増) 

ラベルには 定格入力 DC5V 1A(最大)3.7V/5400mAh(20W/h)とあります。

テスター実測値 4.85V 0.98A  4.728W ←これらは回路がちゃんと働いているということ。

テスター実測積算電流量(フル充電から完全放電までの電流量) 2630mAh(4.85V換算) これに≒5(この場合実測値4.85)をかけて積算電力量に変え、リチウムイオン電池の公称電圧3.7Vで割ると3447mAh(3.7V換算)が導出されます。

微妙な値。3447/5400=63.8%まだ行けるのか。でも電圧落ち気味ですし、充電にかかる時間もかなり。でもさすがPanasonic。

<復習> 

電池に「電圧を一定にする回路」を経て出力すると、変動する電池の電圧を一定に出力することが出来ます。ナマの電池の電圧を公称電圧、回路を経て定まった電圧で出力されたものが定格電圧です。

リチウムイオン電池の公称電圧は3.7-3.8V(理屈はないこう決まっている)

モバイル機器の充電用定格電圧:5V (リチウムイオン電池そのものの電圧を回路で5Vに昇圧して出力している)

<中学校レベルの復習>

W(ワット)は1秒あたりの仕事量(単位はJ:ジュール)

例)1W=1J/sec(ジュール毎秒)

1Wの装置が一時間動くと、消費電力は1Wh(ワットアワー)

電流×電圧=電力 V×A=W

いつも読んでいただきありがとうございます。

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