千葉気動車区があった公園を目標に散歩、その道程で千葉大学をぐるり外周するコースをよく歩く。大学の農場から馥郁と白い桜が匂ってくる、その桜の匂いを嗅ぎに今日もお散歩。さて、今朝8時半、西千葉駅あたりで異様な気配を察した。警備員の声に促される静かな行列、親子連れでゴロゴロと駅からカートを引いて千葉大学正門に向かっている。今日は国公立大学入試、二次試験の日だった。
みんなが受かるわけではない、四人に三人は落ちる、現役時に辛酸を舐めた。曇天も手伝ってもの悲しい気分で受験生たちを眺め、心でエールを送った。テレビ番組風雲たけし城の谷隼人上官が、自滅戦に臨まんとする勇敢な精鋭たちに向ける眼差しと同じように見つめた。受験生たちの白目が異様に青白く緊張した面持ちであった。あんまり見ちゃいけない気がして伏せ目がちにイソイソ通り過ぎた。みんな頑張れヨ。行列の親子連れに予備校がビラを配っていた。「頑張れ受験生!」とおためごかしに、「万一の際は是非うちへ」と、なんと阿漕な。少し歩くと不動産の実店舗がどこも盛況の様子、遠方から一緒においでになった親御さんがどうやら部屋探しをしている。
散歩をし続けながらいろいろな記憶がフラッシュバック。二次受験の日、朝寝坊をして、受験会場にギリギリに到着したこと。隣の受験生が多動かチックだったこと。昼弁当はジャムサンドに決めていたこと。受験も合格発表にも一人で行ったこと。ユンケルを気付け薬に舐めて行ったが、微量のアルコールとイカリソウという”淫羊藿”の異名をもつ強壮成分を含有していた。ユンケルにも色々合って、よりによって大人が夜飲む奴と知らずに買って、受験のおまじないとしていた事にあとで気づいた。一次試験で9割2分得点でき一浪であったから安全策をとり、二次試験重視の関西の大学を諦め、家から通える広島大学に変更した。過ぎてしまえば受験ごときで真剣になりすぎてもいけない、ゲームのようなもの、一生懸命ゲームをやってもいいし、適当にやったって良い。受験なんてその程度。受かってからあとの方がよほどか大変、試験など通過点にすぎぬ、などと言ったら白い目をされそうだ、しかし本心。
思い出すまま書き散らしました。すみません。みんなに春がはやく訪れますように。お寄りくださりありがとうございます。
コメント
梅や早咲きの桜が早めの見頃を迎え、
そのまま春本番の桜かと思ったのですが、
今朝の寒さは真冬逆戻りでした。
はやく「桜咲け」です。
コメントありがとうございます。寒い日が戻ってきました、また暖かくなることを期待しつつ。
3月3日ひな祭り、中国の暦だと上巳、水辺で洗濯して祓う行事だそうです。
転じて水辺の春遊び、農事の節日に。王羲之の蘭亭序はその水遊び、曲水の宴の様子なのだとか。
福岡の大宰府でも曲水の宴ははるか昔に行われていたそうです。
1週間後に前期試験の合格発表、落ちる夢ばかり毎日見ていたことを覚えています。
寒い日があるから暖かい春がやってくる、などと呑気な戯れを言っても、
この時期の受験生には屁の足しにもならないでしょうね。