刺激を避ける

現実にはあり得ないのに動物に特定の行動を引き出す刺激のことを超正常刺激という。ヒラヒラするものを蝶はパートナーと勘違いし、健康な男子は紙に印刷された理想的な裸体へ反応する。実物ではありえない「大きさ」「形」「仕草」などを持つ、抽象化された作り物が動物を引き付ける。鳥は抱卵中、そばにより大きい卵を置くとそちらを抱卵し始める。それがカッコウの托卵が上手くいく理由。若い頃、哲学に惹きつけられた。しかしそれはなんの役にも立たない抽象概念だった。何らかの抽象されたもの、理想形などこの世では実効せず、人を騙すためにだけ存在する。現実にはありえないただの想像物に過ぎない哲学に耽溺しているような人は、芸術という抽象に耽溺する類と同様で、不実の理想像に惑溺させられている。傾城屋に入り浸るお父さんと同じように。

偽造された幸せ、不安、未来への安心感など、現実にはありえないものを誇張し扇動する悪意に満ちた広告が溢れているが、他人を思い通りにしようという意図そのものがサイコパス気質である。超正常刺激はサイコパスの悪意によって裏打ちされている。過剰に抽象化された刺激に操られて無駄な行為をしないため、刺激を避けねばならぬ。化粧も不必要な刺激で、厚化粧の下の悪意に気づかねばならない。インスタの作り物っぽい写真を見た時や、ひと目でわかる美容サイボーグやカツラ、AIが考えるナニカの絵、などを見た時にうんざりする。それが生ずる理由は、誇張が過ぎるが故に不出来と見做され、人を騙すにいたらず、超正常刺激となり得なかったため。例えば醤油だって入れすぎると不味くなる。美容形成の人工二重まぶたなどや、カツラを見破るクセが私にはある。常に猜疑心をもち現実にはありえない刺激とその裏の悪意を避けている。偽装、加工を積極的におのが身体に取り入れ、他人を欺くために手段を選ばないサイコパス、そんな奴らに俺は騙されないゾ。そして悪党どもとの正義の戦いは今日も続くのであった。これは相手と戦うより寧ろ自分の感覚とその制御、個人の内面との戦い、非暴力的な内なるジハード、あるいは仏道修行のようだ、どっちもやったこたあないけど。これが超正常刺激との戦いである。

結論、美容形成とニセチチに反対する。

なんか結論がおかしいですって?ハイ、わかってます。最後の一文を言いたいがために、色々援用しただけです。いつもお読みいただきありがとうございます。

コメント

  1. 匿名 より:

    カッコウの仲間の場合、托卵先の卵より早く孵化します。
    そして孵化した雛はが残った卵を巣の外へ落とします。
    究極の子育ては、どこでどうしてはじまったのでしょう!・

  2. yopioid より:

    面白いですね。どこでどうカッコウが托卵を始めたか、それがわかればすごく格好いいとおもいます。。。コメントありがとうございます。