黒点活動 X8.7クラスのフレア

今回の黒点活動領域を3664という。先ほど宇宙天気予報で二時間前、X8.7クラスのフレアが報告されました。もしかしたら近くでオーロラが見えるかも。。知識の整理をしました。

黒点活動によって電離層が出現し、電波が通じなくなる現象が生じます。まず、電離層とはIonosphericというとおり、大気分子がイオン化しています。HAM(無線)をやっていた子供の頃興味を持ったスポラディックE層は(下図青線参照)、出現すると電離層で反射されない超短波 (VHF 30-300MHz) が反射されるようになるため、FMラジオで外国の局が入ったり、遠距離通信が可能となったりします。これをアマチュア無線界隈ではDXと言って重宝します。ちなみにスポラディックE層は黒点活動とは関係はありません。赤線はHF、短波で、F電離層で反射されます。

Naval Postgraduate School – http://www.weather.nps.navy.mil/~psguest/EMEO_online/module3/module_3_3.html 

太陽フレアが起きると、D層の電子密度が高くなり、HF周波数帯(上図赤線)の電波がD層に吸収されてF層に届かず長距離通信に障害をきたします。この現象をデリンジャー現象といいます。

太陽から放出されたコロナガスはプラス荷電の陽子とマイナス荷電の電子を主成分としこの流れを太陽風といい、電気を帯びたガスをプラズマといいます。太陽風は磁力線を閉じ込める性質があるのでプラズマガスは磁気を帯びます。太陽フレアが起きると同時に太陽磁場が発生し、それが地球に到達すると地磁気が乱れ磁気嵐が生じます。黒点から放出されたプラズマが磁気圏に沿って極域に回り込み、大気圏の物質と衝突することで生じるのがオーロラですが、大きな磁気嵐のときは低緯度でもオーロラが見えます。太陽フレアの源は太陽の磁場であり、その磁場のエネルギーが溜まって放出されます。

コロナホールという太陽風の源が低緯度にあるそうです。ずっと太陽はプラズマを吹き出して無くならないのか?太陽が一年に失う質量は30兆トン、太陽の質量は30兆トンの70兆倍なので大丈夫だそうです。

黒点活動は平均11年周期、太陽活動が活発になる時期を太陽極大期という。1755年の太陽極小期を起点として11年区切りでナンバーが割り振られていますが、2019年12月からが第25活動周期で現在が含まれます。

国立天文台 太陽観測科学プロジェクト 三鷹太陽地上観測 2024.3月 「黒点相対数の変動。緑線・青線・赤線はそれぞれ2018年1月以降の太陽全体・北半球・南半球の13カ月移動平均の黒点相対数で、最近半年分は同じ色の点で示しています。」

太陽自体が地球から見ると27.27日で自転している(太陽自体は25日で自転するが地球の公転を加味すると黒点が正対するのが27.27日)、一周してもう一度黒点が見える場合もあるようです。

<過去のオーロライベント>

キャリントンイベント・・・1859年の太陽嵐 1859年8月28日から9月2日まで太陽表面上に多数の太陽黒点や太陽フレアが観測された。ハワイやカリブ海沿岸でオーロラが観測された。夜が明けたと勘違いし朝ご飯を作り始める人がいたほど。

江戸時代のオーロラ絵図と日記から明らかになった史上最大の磁気嵐・・・明和7年7月28日(1770年9月17日)に史上最大の磁気嵐が発生していたことを明らかにした。京都から見た若狭の方向で大火が起きたのではないかと勘違いするほど。(国立極地研究所 研究成果)

藤原定家・・・1204年2月21日と23日に京都でオーロラが見えたと記述。 

台風が来るとワクワクするイケナイ子供でしたが、いまだ治りません。お読みいただきありがとうございます。

<参考>

宇宙天気予報 https://swc.nict.go.jp/

同 2024年3月28日のXクラスフレアとその後のMクラスフレアの地球への影響 https://swc.nict.go.jp/report/topics/view.html?ids=202404051400

wikipedia 太陽極大期、1859年の太陽嵐、

国立天文台 太陽観測科学プロジェクト 三鷹太陽地上観測

NICTイオノゾンデ電離圏観測 日本国内の電離層観測データ https://wdc.nict.go.jp/Ionosphere/realtime/ISDJ/index.html

国立極地研究所 研究成果 

江戸時代のオーロラ絵図と日記から明らかになった史上最大の磁気嵐 https://www.nipr.ac.jp/info/notice/20170920.html#bunken02

明月記 https://www.nipr.ac.jp/info/notice/20170321.html

コメント

  1. agehamodoki より:

    難しい理屈はよく解りません。
    天文学は物理の分野になるのですかね!?
    ただフレアが太陽の爆発であり、
    大きいと地球に影響を及ぼすと・・・
    場合によっては電磁波によってスマホやGPSが使えなくなるとか!?
    それは困るけど、オーロラは見てみたいのです。
    貧乏人は高緯度エリアへ旅することも出来ませんから。

  2. yopioid より:

    コメントありがとうございます。
    電波は電磁気学で、物理で学びます。
    私もコロッケにかけるオーロラソースを卒業して、生きている間に本物のオーロラを見てみたいものです。
    災害はイヤですが。2025年も要注意だそうです。色々調べたあとでそとを歩くと照りつけるお日様が気になって仕方ありません。