- 挽きぐるみとはなにか
- グルテンを含まない蕎麦に必要なつなぎ
- 蕎麦のつなぎ 1 ふのり 多糖体
- 蕎麦のつなぎ 2 細かい繊維(植物由来)
- 蕎麦のつなぎ 3 豆乳
- 蕎麦のつなぎに繊維が使えること、プラスチックのFRPみたいだ
挽きぐるみとはなにか
深大寺そばのパッケージに「ひきぐるみ」と、挽きぐるみとは何だろう。
そば粉には一番粉、二番粉、三番粉がある。製粉過程で砕けやすい中心部が最初に製粉される。最初にとれる部分が一番粉で、構成は胚乳、デンプン主体の白い粉、一番粉だけで打ったのが更科そば。次の製粉過程で出てくる二番粉は蕎麦っぽい色の粉。一番粉と二番粉を使用したのが薮そば。最後の製粉過程で出てくる三番粉が殻のすぐ内側(最外層)の甘皮に由来する蕎麦らしい香りのある三番粉、コレを使ったのが田舎そば(黒いそば)になる。挽きぐるみは一番粉+二番粉+三番粉、つまり、一番粉(甘み)+二番粉(上品)+三番粉(蕎麦らしい香りと色と栄養)のブレンド。さらに蕎麦殻までひきこんだのが出雲蕎麦。
グルテンを含まない蕎麦に必要なつなぎ
そばの胚乳はデンプン主体でタンパク質や灰分は少ない。胚芽や甘皮にタンパク質や灰分が含まれる。しかしグルテンはいずれにも含まれない。蕎麦は本来グルテンフリー食。グルテンがないのにどうして蕎麦はまとまるのか。十割そばは糊化を利用している。十割そばを茹でると茹で汁がネチャネチャする。二八そばは、二割小麦を足して、小麦からグルテンを供給している。それをつなぎ、という。つなぎに山芋や卵、よもぎ、山ごぼう、海藻などを使うこともある。山芋や卵のネチャネチャはわかるが。その他のは?
蕎麦のつなぎ 1 ふのり 多糖体
海藻のふのりをつなぎに使ったのが魚沼のへぎそば。絹織物の生糸の糊付け、織物の接着剤としてふのりは過去よく被服業で使われた。https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2203/univ01.html 化学成分は多糖体。
蕎麦のつなぎ 2 細かい繊維(植物由来)
ヤマゴボウの繊維をつなぎに使ったのが飯山市富倉地区の富倉そば。ヤマゴボウとはモリアザミ、オニアザミ、オヤマボクチ(雄山火口)など、アザミ類(キク科)をまとめていう山菜の総称。ボクチ(火口)は火をつけるもぐさに使ったから。https://www.dynax.co.jp/sinsen/soba/meisanchi/tomikura.htm
アザミもキク科。そして次のよもぎもキク科。よもぎをつなぎに使うのが草切り蕎麦、季節を感じる色付きの蕎麦として供される。よもぎは団子のつなぎとして使うのでよもぎを別名「もちぐさ」ともいう。よもぎの化学成分を調べてもでてこない。どうやらよもぎの細かい毛をつなぎとして使うようだ。
ヤマゴボウ(アザミ)もよもぎも、細かい毛が共通点。いずれもキク科。細かい毛がつなぎになるのだろうか。
蕎麦のつなぎ 3 豆乳
大豆をすりつぶしたものを呉(ご)、要するに豆乳。それを味噌汁に溶かしたのが呉汁(ごじる)といって、東北の郷土料理。https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/gojiru_miyagi.html
呉汁(豆乳)を蕎麦に混ぜるとコシが出る。呉汁つなぎといって津軽そばの作り方。呉汁(味噌汁)を混ぜるのではない、呉汁(豆乳)を混ぜる。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%91%89%E6%B1%81 日頃見かける豆乳はサラサラしているがコレがつなぎになるのだろうか。と思ったら豆乳を少しおいてから使うようだ。にがりを入れなくても凝固することがあるが、凝固を利用するのだろうか。あるいは繊維がつなぎになるのだろうか。
蕎麦のつなぎに繊維が使えること、プラスチックのFRPみたいだ
植物由来の繊維が蕎麦のつなぎになる。ふと思い出したのがFRP、繊維強化プラスチック。プラスチックに繊維を混ぜると弾性率が上がる。プラスチックのもとのエポキシ樹脂などに細かい繊維例えばグラスファイバーをとかしてあり、繊維を混ぜるとプラスチックみたいにバキッと折れずビヨンビヨンと弾性を持ち丈夫になる。ユニットバスや浴槽も公園のボートもFRPでできている。蕎麦に繊維を混ぜるとつなぎになるのと似た仕組みかもしれない。
さて近所の蕎麦屋のゆず切り蕎麦が終わり、年越しそば受付中の墨文字に変わりました。ゆずきり蕎麦美味しかったなあ、あれは何もつけなくとも美味しい。口の中がピリピリして爽やかな香りになります。ゆずはつなぎではないだろうけれど、普通のそばよりもプリプリと歯ごたえが良くなるような気がします。ゆずにもつなぎの効果があるのでしょうか。
では皆様、どうぞ良いお年を🎍
コメント
蕎麦は10割が一番いいと思ってましたが、つなぎに何かを使うことによって風味がよくなって美味しくなるってことありますよね。
ゆずきり蕎麦、食べてみたいです(^.^)
いろいろ面白い記事をありがとうございました。
よいお年を
旅する栄養士サンも、どうぞ良いお年をお迎えください。
少し出遅れましたが
明けましておめでとうございます。
蕎麦のつなぎがテーマですね。
確かにものによって変わりそうです。
ただFRPの例えが良くないですね(笑)
ちなみに私は10割にこだわってはいません。
今年もよろしくお願い致します~m(__)m
あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。
さて、確かにモノで食べ物を例えるのは良く無かったですネ。10割そばも良いですが、コンクリートモルタル補強用に藁を混ぜてしなやかにしたり、コンクリートに鉄筋を入れて引っ張りや圧縮に強くしたりするように、お蕎麦も組み合わせで機能がアップします。懲りて無い?いえ、反省してます。