私はアホなので、氷の入った魔法瓶タンブラーから氷を食べようとして傾けるうちに顔面に降ってくる事例を繰り返しています。飲み物が少なくなったときにも中の氷がガラガラっと急に崩れて飲み物や氷が顔面に向かって押し寄せてくることがあります。
忍者みたいにヒッシと抵抗して落ちてこない氷たちは、タンブラーから剥がれた途端ドザーっとまとめて顔面に押し寄せて来ます。コーヒー混じりの液体もろとも。一個落ちてくればよいのに傾けないと落ちてこない、だからいっぺんに沢山の氷が顔面にビシャーと突撃。我ながらアホとしか言いようがないです。飲み物が氷だけになったとき、口で受けたまま魔法瓶タンブラーを水平以上に傾けてもなかなか落ちてこない。仰角10-15度ぐらいでは滑ってきません。一回縦においてガチャガチャっと揺すってから水平に傾けても嘲笑うかのごとくピタッと張り付いて落ちてきません。あれは絶対に忍者だ。あとちょっとで落ちてくるという限界角度、限界摩擦力と重力のベクトル成分が綱引きする臨界点を迎え破綻、角度ついてるからいったん滑り始めるととんでもない加速度で落ちてきます。プールの濡れたすべり台みたいに。口に当てながら本体をガチャガチャ水平に揺さぶる方法、人様にお見せできません。それでも氷が食いたいのじゃ。
シャツを何枚もだめにした反省に基づき、今年はストローを使うことにしました。皆さん知らないでしょう、ストローって便利なやつがあるんですよ。氷が一杯のタンブラーを傾けなくてもチューチュー飲めるんです。それでもなお、タンブラーに残った氷を食べたい問題は解決しておりません。おそらくこの夏もまた“顔面氷(がんめんごおり)”をやってしまいそうです。象印マホービンさんにタンブラー用の顔面氷防止用キャップの商品提案をしてみようかと思いましたが、まず自分で理屈を考えてみました。
ガラスを張り合わせるのに水だけあればよいのをご存知でしょうか。ツルツルのもの同士の間に僅かな水があればそれが抵抗になります。ツルツルのものどうしは、水を介在させて貼り付けると、抵抗を生じる事ができます。ガラス同士の密着実験が下記<ご参考>に載っていますのよかったら御覧ください。
氷の融けた面とタンブラーの金属面とはいずれもツルツル、間に水が少し、これらが密着する力はおそらくガラスの接着と同じ原理、つまり分子間力です。結露した窓に、ツルツルのプラ下敷きやトランプみたいなツルツルのカードをピタッと押し付けて貼り付けることができます(抵抗が生じます)。分子間力、これをファンデルワールス力と高校で習ったのを思い出しました。顔面氷の解決法としてタンブラーの内側を粗面にして(または条を刻んで)ファンデルワールス力を働きにくくする方法が考えられます。ただ、汚れがつきやすくなるかもしれませんが。ザラザラした紙コップの氷はどうりで落ちてきやすく食べやすいわけです。
とあれこれ考えていたらコップの氷が融けてしまいました。
<ご参考>
NGK 日本ガイシの科学サイト 分子間力の実験 https://site.ngk.co.jp/lab/no230/
コメント
「顔面氷」あるあるですよね!
飲み干したジュースなどのグラスに残った氷を食べようとした時、
ストローで上手く1個の氷を滑らせたつもりが、後続が一気に!
コーヒーなど色が濃い飲み物が残っていたら悲惨です。
法則や力学的なことより、人のさがと言うか、
懲りない性分が情けなくなります。
うまくいかないと、次こそはと再チャレンジしては、また失敗をくりかえす。
ついたあだ名が火の玉野郎。
月も知ってるおいらの意気地。
それが男というものじゃあござんせんか。
すべてお釈迦様の手のひらの上よ。
なんちゃって。
コメントありがとうございます。