インフレ目標2%の意味

要旨 インフレ率2%になるように金融緩和をしているのではない。

失業率を下げる際に配慮すべきインフレ率、上がって2%にあたらないように金融緩和・財政出動する。インフレ率が2%以下であることを、金融緩和の許容範囲としている、という意味。そこをすぎるとインフレ率しか上がらず、失業率が下げ止まるから。

インフレ率を上げれば失業率が下がる。低インフレからデフレ領域においては長期においてフィリップス曲線が右下がりとなる。つまり、インフレ率と失業率とは負の相関関係にある。

インフレ率が仮にいくら上がっても、失業率はそれ以上減らないという値がある。これを自然失業率という。失業率を下げようと金融緩和するときに、インフレ率だけが上がり始めるポイントを超えても意味があまりない。日本の場合、失業率が2%ちょっとまで下がったときにインフレ率が2%となる。以後はインフレ率だけが上昇し始める。失業率を下げることが目的で、その際に許容できるインフレ率は上限2%まで、ということ。それを超えると出口戦略となる。インフレ率が2%以下の範囲で、失業率が最も下がるように、金融政策・財政出動をしているということ。

この、インフレ率を安定的に保つ失業率の閾値をインフレ非加速的失業率といい(日本の場合2%ちょっと)それを下回るとインフレ率は(または、だけが)上昇する。インフレ率を上昇させない維持可能な経済状態で、良好な雇用状態を保てる失業率が2%ちょっと。安倍さんはかなりいいところまでそれを実現した。


”インフレターゲット”の語感から私は勝手に目標値のイメージを抱いていましたが、全く違っておりました(笑)

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