ドルゴルスレン・ダグワドルジ ≒白タラ守護・清い金剛

「ナントカスレン・ナニナニ」という名前のお客さんが来た。名前が朝青龍みたいだったのでモンゴルの方ですか?と聞いたら合っていた。朝青龍の!と言ったらニコニコされた。スレンで”ドルジ(朝青龍)”を思い出した。

さて本題、お相撲さんの朝青龍、ドルゴルスレン・ダグワドルジが本名でこれを解題してみる。Долгорсүрэнгийн Дагвадорж、Dolgorsürengiin Dagvadorj

ドルジは金剛石、ダイヤ、強い、無敵であることを表す。朝青龍にぴったり。サンスクリットだと金剛はヴァジュラ。モンゴルはチベット仏教と関わりが強く、仏教に関連する名前が多い。モンゴル帝国がチベット仏教を保護、モンゴルにも定着したため。モンゴル人の男性の名前にドルジは多く見られ、ドルジは朝青龍だけでなく、日馬富士もダワーニャム・ビャンバドルジである。日本語ならさしずめ「つよし」、「剛」「毅」「烈」「健」「豪」とか。ああ、プロレスのストロング・金剛はストロング・ドルジと言い換えうる。

スレンは守護という意味になる。チベット仏教の影響で、(仏教的なもの)+(守護)=(ナニナニ)+スレンの構成。「ドルゴルスレン」がお父さんの名前(父系社会)が先にくる。父の名前+個人名。ドルゴルスレン(父名)・ダグワドルジ(個人名)となる。長いナ。2人分だもの。

ドルゴルの検索に難儀した。

Dolgolで検索すると、

Buryat (Долгор) name means – “white she-savior”. Tibetan name of the White Tara.白いタラ?

それは多羅菩薩というものだった、白と緑がある。白タラ、緑タラ。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%9A%E7%BE%85%E8%8F%A9%E8%96%A9

観音菩薩が衆生救済への無力を嘆いて流した右目の涙が白ターラー、左の涙が緑ターラー(左目、緑膿菌感染疑い)。白ターラー、と緑ターラーの二人の女の子が「わたしらががんばるけん、泣きんさんなや」と。その姉妹が白と緑の多羅菩薩。日本の密教では胎蔵曼荼羅に書いてあるらしいが日本仏教の本尊格ではない。チベット仏教では本尊格。タラッと涙が流れてタラ菩薩なのかどうかは知らぬ。

仏教はインドからチベットに直接入ったものと、シナ経由の儒教要素が強い日本仏教とはかなり違う。西チベット王家が招聘したインド人仏教僧アティーシャが広めたのが釈迦如来・観音菩薩・不動明王・ターラー菩薩を「四本尊」とするチベット仏教。

日本で唯一多羅菩薩があるのが京都勝念寺、密教ではなく浄土宗であるのに。というのも、あの織田信長公からプレゼントされたもの。開山とは関係ないようだ。勝念寺のはちなみに緑ターラー。


ここまでをまとめます。ダグワは清いの意味(神様の意味という記載もあった)だそうなので、

「白タラ守護(父個人名)+清い金剛(個人名)」

素敵な名前じゃん。

お読みいただきありがとうございます。

<参考>

東アジア仏教における多羅信仰の展開

モンゴル国 人名力 http://blog.livedoor.jp/namepower/archives/1237332.html

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