TOB二度目の経験です。最近TOBやMBOが多いから手続きなど備忘録。初体験は2023年の日本SHL(①子会社化+非上場化)。今回はアウトルックコンサルティング( ②子会社化+上場維持)。
TOBにはおおまか、二種類あります
①子会社化+非上場化
②子会社化+上場維持
①の場合、完全子会社化し経営方針の完全な統一を目的とし議決権比率90%以上を取得、10%の少数株主は強制的に買い取られます(スクイーズアウト)。非開示となるため開示義務や取引所費用などが省略でき、経営方針が統一出来ます。
②の場合、議決権比率33.4%を目標とする場合は重要事項拒否を目的とし、50%以上を目的とする場合経営支配を目的とします。②の場合、①よりプレミアムは少ない傾向です。子会社は独立性を保つことができ、また、市場からの資金調達目的で維持する場合もあります。親子上場は減る傾向にあります。
当株式は②にあたり公開買付者は保有割合を51%以上としています(連結子会社化)。公開買付の上限60%までという条件付きです(上場維持のために全部は買わない)。
あん分比例方式
子会社化で買付上限が決まっていて上場維持される条件で、TOB応募株数が買付予定株数を超えた場合、按分比例方式で応募者の株は平等に買い取られます。
筆頭株主であるAG2投資事業有限責任組合(スタートアップ出資者)は所有割合47%で、公開買付者との間で「応募契約」を結んでいます。47%を優先的に「譲渡」するわけではなく「応募契約」です。スタートアップ出資者であっても有利になるわけではない。少数株主と同様に「応募」して、応募総数が60%を超えた場合、あん分比例の方式によって決済を行われます。大株主も少数株主も同様に、応募株数に対して(買付予定数)/(応募株数)の割合で比例配分されます。たとえば、60%を遥かにこえて100%の応募があった場合、少数株主も大株主もそれぞれの応募株数に60(買付予定数)/100(応募総数)を乗じて買付予定数を按分します。
筆頭株主(保有割合47%)と公開買付者との間の「TOB応募契約」は47%全部の譲渡ではありません。スタートアップ出資者であっても少数株主と同じ応募条件というのが面白いです。なぜなら「株主」として平等だからです。
手続き方法
SBI証券に保有している場合。
1)SBI証券から移管手続き。SBI証券に保有している株を、公開買付代理人たるみずほ証券に移管
2)みずほ証券での手続き。みずほ証券に対して買付に応募
の手順です。2つの証券会社に対して申請手続きが必要です。
1)(移管手続き)
SBI証券のHPの中で行います。手続き書類PDF書式を印刷し、加入権口座コードなど記入しSBIへ郵送します。ホーム>サービス案内>移管(入庫出庫)>移管出庫・国内株式>株式移管出庫サービスでたどり着けます。
2)(買付への応募 TOB応募申請)
みずほ証券口座を持ってなかったのでスマホアプリで口座開設、4-5営業日でスムーズに口座開設出来ました。みずほサイト内では手続きが出来ません↓。散歩がてら近所のみずほ証券支店を訪ね直接書類を作成しました。郵送で対応出来たようです。
お読みいただきありがとうございます。
なぜ最近多いのか
東証にはプライム、スタンダード、グロースがあり、それぞれに上場基準がありますが、2025.3から基準が厳しくなります。現行制度の開始時点が非常に甘かった。とくに株式の流動性は一定以上である必要があり、株主数も一定を超えなければいけません。対応策として株の売り出しが盛んに行われています。別の方法としてMBOやTOBが行われていると考えられます。アクティビストも一因と考えます。
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