
台湾料理。台南のタウナギを使った麺料理「鱔魚意麺」
うなぎとタウナギとでは肉質が異なる。生物分類上でも遠縁同士である。タウナギは脂が少なく、ザ・タンパク質という食感。クセがない。炒めると食用油が絡んで脂とタンパク質の塩梅がちょうどよい。ボルネオで食べたマムシの肉ほどプリプリしてはいないが、うなぎや穴子の身質のようなフワフワ感というよりむしろ、ヘビ肉までは行かない程度の多少のゴム感、繊維質感が感じられ、身質は適度に締まっている。歯で噛み切るのに苦労はなく容易に咀嚼できる。うなぎという名前がついているが、無理にうなぎの調理法をやると、脂が少ないので硬くなってしまうだろう。さっと軽く炒めて脂を絡めて焼きそばの具にする、という台灣の調理法は理にかなっている。美味しく食が進んだ。栄養価も高い。
タウナギは一生を田んぼの周りの水路で過ごし、昆虫などを食べる。うなぎみたいに海には行かない。タウナギには鱗がない。炒める前の仕込みが終わった身質を調理場のご主人に見せてもらったが、捌いた腹側の身の色がピンクがかった赤で印象に残った。加熱すると茶褐色に変化する。見かけの割に美味というものが多い、菱の実もだが。台湾人のソウルフードらしくあちこちに鱔魚意麺の店がある。
<参考>
清江鱔魚意麺
清江鱔魚意面 · No. 120號, Section 2, Zhongyi Rd, West Central District, Tainan City, 台湾 700
★★★★☆ · 台湾料理店
ウィキペディア 鱔魚意麺
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