瓢湖にたどり着く道すがら、越後の稲刈りが終わった田んぼで白鳥が落ち穂を拾っているところを見つけました。
”正しい白鳥”は湖に浮遊すべき、というステレオタイプがあったもので、田んぼでエッチラオッチラドッコイセと野良作業をしている白い鳥が、あの由緒正しき白鳥だとは最初確信が持てませんでした。バレエのスワンほどのエレガンスを期待していたわけではないけれど、これも白鳥の”ひとつの顔”です。田んぼの白鳥は警戒心が強く、遠くから眺めるだけです。瓢湖のオオハクチョウは結構近づいてきてくれて感動しました。顔をまじまじ見られたし目もあったし。
瓢湖は新潟県にある江戸時代にできた人工溜池、今は渡り鳥がやってくる保護区域でラムサール条約登録。到着すると、ウジャウジャおる!という言葉がおのずから出てきます。
冷たい雨が降ったり止んだり、保護センターに退避、ガラス越しに白鳥さんの飛翔。
雨がやんだので餌やり開始!
白鳥親子のスペースめがけて餌を投入します。ゲームセンター感覚。相当課金し、大盤振る舞いのお大尽。
白鳥さん6000羽飛来しているそうですが、どうやって数えるのだろう。都会で見かける池に浮かぶスワンの乗り物の原型がこれだな、と変な感動。しかし何故子供の便器に白鳥をあしらうのだ。
夢中で投げ入れました。「おいちゃんが、大盛りでいくけんのお、まっとれよお」とか言いながら。白鳥おやぶんがトロ臭くて、すばしこいオオバンやキンクロハジロやらが先に餌を取ってしまう。いかに白鳥のところに餌を落とし込むか、こっちも必死です。とりさん可愛い、面白い、餌やりの面白さを保つために自然保護ならわかる気がします。
餌やりの白鳥おじさんと間違えてか随分近くにやってきた。口角が上がっててニコッとしてるみたいでかわいいぞ。
灰色の白鳥は幼鳥。灰色だからブラック・スワンとのあいのこ?などとおもったが、全然違った。
白鳥の一日。湖面で夜を過ごし、夜明けに飛び立ち(ねぐら立ちと言うそうです)田んぼに移動、稲刈りの落ち穂など食べます。サラリーマンのお父ちゃんみたいに朝出かけ夕方に再び瓢湖に戻ってきます。11月下旬から数ヶ月ここ瓢湖にとどまり冬季を日本で過ごし、春になるとシベリアに旅立っていきます。
白鳥おじさんが一日三回未成熟のイネ(シイナという)やパンくずで構成される餌をあげます(9時、11時、15時)。地元企業の協力や全国からの寄付金で成り立っているそうです。
けふからは 日本の雁ぞ 楽に寝よ 小林一茶
渡り鳥さんどうぞ日本でゆっくりしてってください。最後まで読んでいただきありがとうございます。
コメント
白鳥おじさん、神々しすぎる
売店で餌を買えば即席で「神の使いのもの」ぐらいにはなれますよ!
コンニチハ♪瓢湖ですか。
水鳥たちの有名な越冬地ですが、凄い数ですね!
珍しいのを探すのも楽しいでしょうが、
朝夕の塒立ち、塒入りが素晴らしいでしょうね。
こんにちは!月岡温泉に行くのを決めたあと「瓢湖」「オオヒシクイの福島潟」の存在を知りました。
秋冬の日本海側は曇りがちで雨も寒かったですが鳥さんを面白がって寒さを忘れるほど楽しかったです。
餌やりタイムに訪れたときは観光客が多数派でガチ勢はあまり居なかったです。
朝早くのねぐら立ちのときにはいらっしゃるのかも。
硫黄温泉の魅力に抗えず、朝湯などして放蕩しておりました。次回はガンバリマス。