マグマの発泡、ウレタンフォーム製造の物理発泡、炭酸飲料の泡、いずれも減圧で発生する

概要 炭酸飲料の蓋を開けた瞬間減圧して発泡するように、火砕流のもとのデイサイトがマグマのときに、深部から火口に上昇し、減圧するときにマグマ内で発泡する。

姫島は火山由来の島です。マグマが冷えて固まった火成岩の一つ”デイサイト”の岩壁。国東半島もデイサイトで出来ています。

火山岩のQAPF図 

デイサイトの特徴ですがケイ素多めのネバネバです。マグマが冷える速度で二つに分けられ、急冷した火成岩が火山岩、ゆっくり冷えたのが深成岩です。デイサイトは急に冷えた火山岩のなかまでケイ素が多めでネバネバマグマで流動性が低いのが特徴。ケイ素は料理に入れてとろみをだす片栗粉みたいなもん、たとえがええかどうか知らんけど含まれる量が多いとトロッと固くなる。昭和新山もデイサイト質で流動性が少ないからもりもりっとなった。モリモリしてるやつはだいたい友達(デイサイト)。

デイサイト仲間の昭和新山だYo!

二酸化ケイ素含有率70%以上がネバネバ”流紋岩”、70%以下がネバネバ”デイサイト”。63%以下が安山岩。サラサラ”玄武岩”は二酸化ケイ素含有率53.5%以下で、ケイ素が少ない玄武岩は黒っぽい(例えば指宿の玄武岩とかは真っ黒、元々サラサラ溶岩)。

Woudloper による著作物, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=10311666による

ネバネバ成分を与えるケイ素が少ない火山のマグマは川のようにタラタラ流れて溶岩がしぶきをあげます。例えばアイスランドとかハワイ島とか。洪水みたいな溶岩流。参考 https://geoengi999.jp/details4058.html

デイサイトは火砕流になったり(雲仙・普賢岳)します。その火砕流がどうしてできるか。流紋岩rhyolite やデイサイトdaciteのネバネバ度が高いマグマはガスが抜けにくい。マグマが地表近くまで上昇し減圧した時点で気化発泡し始めます。高圧では抜けなかったマグマに溶けたガスが、減圧によって発泡し、粉砕され、ガスと混合し、まるで雲のようになり、マグマの量が多ければ火砕流となって火口から高速で流れ出します。その速さ時速100km!。100度~1000度の気体が時速100kmで迫ってくる。怖い。

炭酸飲料の蓋をあける、つまり減圧すると、泡が出始めます。同じようにマグマも深いところ(高圧)から火口まで上がってきて減圧するとブクブク泡立ち始め、爆発すれば火砕流、そのまま固まると軽石ですね。めちゃめちゃ振って蓋開けると炭酸が噴き出しますが、火砕流ってあの感じですね。ドロッとした炭酸飲料を作って、めちゃくちゃに振って、プシュっとやったら火砕流の疑似体験ができるかな。すぐ固まる樹脂に例えば接着剤に炭酸を含ませて高圧にしておいて、開栓したら発泡樹脂が出来そう。

あ、ウレタンフォームの作り方・・・。調べると、おお!、物理発泡というウレタンフォーム製造法の一つでした。

物理発泡
物理発泡は、高い圧力のもとでプラスチックに液化ガスや超臨界流体を溶解させ、圧力の低下や加熱により溶解度が下がることで、気泡を発生させる方法です。樹脂中に発生するガスによって成形品の中に細かな気泡を形成することで、製品の反りを改善、軽量化などが可能になります。物理発泡射出成形は、さまざまな樹脂に使用でき、棄物のトラブルもありません。物理発泡は、発泡性が良く、発泡倍率が大きいのもメリットです。 ただ、ランニングコストが大きく、成形条件幅が狭いというデメリットもあります。https://www.jmsltd.co.jp/media/airticle/a33

明日から島原半島に行ってきます。雲仙普賢岳は3000m級の山だったという伝承があるようです。爆発で山体崩壊して現在の形に、と。

<参考>

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