4290増配の理由を考える

およりいただきありがとうございます。株の話。

配当性向を従来の30%から70%にすると発表があったが株価は下がり続けている。2008年のリーマン・ショック後から保有している株、プレステージインターナショナル(4290)、2024/05/10。配当が殆ど無い会社だったが成長は著しかった。ROAおよびROEともに高く無借金経営、ストック型企業で利益の年変動が少ない。その傾向を現在まで保っていたが、資本利用効率の低下が見られていた。またGSなど外資の大口保有率が昔から現在まで高かったが、日本の資本に置き換わりつつある印象。個人より大口が多いから株主対策の軸足は大口になり、キャピタルゲインで長期保有を狙う株主に応えるかたち。浮動株は極度に少ないため株価変動が大きい。会社自体が有効に再投資をすることで株主資本が増大し、経常利益も年々増えていった。したがって配当は1%前後であってもキャピタルゲインが大きかったのでホールドし続けることに納得の行く株価の経過だった。長期投資に適した株であった。

直近、営業利益の伸びがやや鈍化した状況で、配当を12円から24円に倍に増やすと発表があった。自社株買いも含めて配当性向を従来の30%から70%とするというものだ。これには驚いた。内訳として配当60%+自社株買い10%。

有能な経営者が有効に利益剰余金を再投資し成長をし続けるならば、キャピタルゲインによって株主は満足し、この場合株主還元は不要である。会社が投資先を持つかぎり他所から借金をせず自分の利益剰余金を再投資すればよい。成長のためなら減配をしたって良い。

これまで長年配当を出し渋っていたのは利益剰余金を再投資するためだ、と解釈していたからこそ、以下のように私が邪推する。「会社にとって有効な再投資先がない」「キャピタルゲインは望めないからインカムゲインで株主に報いよう」「拡大路線は止めた」「これ以上拡大しても人件費高騰で利益率が下がる」など。いつもネガティヴなことしか考えない私が、悪ノリしてもう一つ邪推すれば「外資から配当の圧力がかかった可能性はどうか」。外国人株主割合が高ければエゲツナイ要求も多々あるだろう。最近資本を有効に活用できてない傾向があり、経常利益の伸びが鈍化、それを見ている外資の動静が気になっていた。キャピタルゲインが得られない上に配当も少なければ、「ナントカシロ」となるのがスジで、そのハゲタカの圧力に答えたか(邪推)。私としては配当が増えたところで税金で持ってくくらいなら、会社自体が再投資してくれたほうが良いと考える。これまでの成長を踏まえてその能力がある経営陣であると考える。

ネガティブなことを書き連ねたが「自己資本比率の基準の見直し」という言葉がIRの文章に含まれていた。無借金経営の放棄?これが増配の背景にあるかもしれない。これまで厳しく無借金経営でやってきた会社であった背景にフローを配当ではなく再投資に充ててきたきた結果経営の健康状態は大変良かった。今後はレバレッジ経営を多少やっていくのかも知れない。雇用を増やせることから自治体の資金協力が得られそのもとで堅実にブランチを増やしていった経緯があり、最近その傾向が強かった。今後、自治体の協力によらない展開や、従来の型にはまらない拡大を念頭においているのかも知れない。私の選考条件は無借金経営なので、これにも考え込む。

お読みいただきありがとうございます。

<参考>

https://www.prestigein.com 2024/5/10発表資料

コメント

  1. agehamodoki より:

    コンニチハ。株は素人です。ホントは野鳥のことも素人です(笑)
    株に限らず経済ニュースが賑やかなので、嫌でも耳にします。
    なんとかファンド、物言う株主等々・・・
    理屈として分からないでもないし、時として痛快にも思えます。
    しかし結局、力をバックに目先の利益最優先という風に理解します。
    長い目で企業を育てると言うような懐の深さが無いということですよね。
    子供を育てるのと似ているようにも思えます。
    今はとりあえず目先の中学、いや幼稚園お受験。
    子供の心や個性を無視して・・・
    親の心の大きさと深さと言うか、
    ホールドの仕方を間違っている。
    分ったようで偉そうなこと言ってます。変かな!?

  2. yopioid より:

    貴重な大変興味深いコメントをありがとうございます。
    アゲハモドキさんのご指摘ご理解、私の思うところと同じであります。
    目先の利益優先で会社の事を考えない株主が酷な要求をされる場合があります。
    きゃつらは期日が決まっていてその間に利ザヤを上げないといけない、短期的な結果を求められているどっかの社員です。
    会社を育てようとか支援しようという例えば子供に向かうような気持ちはさらさらないでしょうネ。
    おっしゃるように長期目線にはもとよりないでしょう。
    総会屋や物言う株主やハゲタカファンドどもが目先の利益を追わねばならない事情もわかりますが、
    目先の利益を忘れてほっとく懐の深さ、親心みたいな気持ちとか公共心とかで投資できたらよいのかもしれないです。
    困ったときだけ助けて後はほっとく。それはさておき、アゲハモドキさんの野鳥写真の腕前はプロ級です。
    野鳥知識も勉強になっています。知らない鳥が沢山出てきて面白いです。