伊勢の甘い醤油

旅先では外食もいいけれど、その地元のスーパーで惣菜を買ってホテルで食べるのも楽しい。地元の人が普通に食べているものが体験できる。

伊勢市に着いた。明日のお参りの前に禊をすることとした”伊勢角屋麦酒”で。私は邪気の量が人より多くギトギトに汚れているから、アルコールもちょっと多めに4パイントほど立ち飲みした。地元出身の店員さんにうまいものを尋ねたら「クニちゃん」という魚屋の”てこね寿司”が美味しい、と。手こね寿司は漁師料理に由来し地元の人もよく食べる。伊勢うどんも柔らかいから子供から歯のないお爺さんまで日常的に食べるって。歯茎で噛めるんですね!と酔った勢いで言ってしまった。

伊勢うどんの味付けは甘い醤油で味醂が入っている、と。乾麺の伊勢うどんは地元では食べない、スーパーの生麺を買った方がいいと貴重な情報も。スーパー「ぎゅーとら」に行くと伊勢うどんコーナーがあり、麺と赤いキャップにつめられた出汁が別々の包装でずらりと並べられ、ある程度の広さを占めていました。地元の人は様々にアレンジして食べるのだろう。地元の人も食べる名物はきっと美味しい。

http://www.gyutora.com/ HPより引用

ドラゴンクエストみたいに、酒場でぼうけんのしょ(旅の情報)を仕入れてクエストするのが好きだ。地元の人の訛りを傾聴するのも楽しい。僅かに関西訛りがチラチラするのが伊勢の言葉。ぎゅーとらで仕入れた戦利品。伊勢うどん110円、てこね寿司も惣菜コーナーにあった。スーパーの惣菜コーナーにあって毎日食べられているものこそ郷土料理と言って良い。

手こね寿司も伊勢うどんも、醤油・砂糖・味醂の調味料を使う

手こね寿司は漁師料理で漁師さんが船上で魚をヅケにして、炊けたご飯につけ汁とともに混ぜて食べます。味醂醤油砂糖の調味料が使われる。潮風に当たる漁師は口が辛くなるので甘い味付けが好まれたようです。関東のマグロ漬け丼とか、広島の鯛めしみたいに甘い醤油につけて食べるのは漁師さんに共通する調理。かんたんに調理するため砂糖みりん醤油オールインワンのあわせ調味料も存在します。

伊勢のスーパーで売っていた甘い醤油

みりん、砂糖、醤油、この組み合わせが、伊勢うどん、手こね寿司という伊勢の郷土料理の調味料に共通、さらにスーパーに伊勢のあまい醤油を売っていた、伊勢の人は甘辛醤油が好きなんだね~!甘口で出汁の味もする。手こね寿司の味に近い。というわけで、甘辛醤油味について調べ始めました。

https://mieman.co.jp/?pid=136553886 ミエマン醤油

甘辛い刺身醤油がある地方を他にも知っています。子供のとき住んでいた福岡の刺身醤油、勤務地山口県柳井の柳井たまり醤油、鹿児島の醤油、富山でお刺身を食べるときも醤油が甘かったです。脂っぽいブリやイワシには甘くてとろっとした醤油が合います。柳井の湊では、味噌や醤油を北前船に積んで商品として出荷していました。柳井の味噌も美味くて今も取り寄せています。長期航海の船乗りや漁師さんのために、醤油ベースの合わせ調味料や甘い醤油があれば便利、日持ちを考えたら辛口のほうが良かろうけれど。

和歌山湯浅の砂糖・味醂・濃口醤油の加味品

和歌山湯浅の醤油の定番に天然醸造の濃口醤油にキビ砂糖と味醂が加えられた加味品がある。そのまま料理の味付けに使える。和歌山は広域的には関東風の甘くない醤油を使うようです。

萬醤(よろずびしお)甘口 | 湯浅醤油・金山寺味噌・生米麹の丸新本家 湯浅醤油・金山寺味噌・ポン酢・紀州の梅干の製造・販売、丸新本家
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次のリンクは越中高岡の山元醤油、ここも甘いことで知られる。

北陸の醤油が甘口な理由は諸説あるようです(下記リンク)。

https://www.yamagen-jouzou.com/cate_p/soysauce/ HPより 山元醤油の甘い醤油のラインナップは他にもあります。
ごあいさつ | 山元醸造株式会社
ごあいさつ お客様へ ―ルーツは麹づくり― 当社の起こりは、今から約250年前の安永元年(1772)
室屋長兵衛 加賀の醤油はなぜ甘い�

次は山口県柳井市の甘露醤油

とろっと甘く、白身魚にも合います。佐川醤油のが美味しかったな。以下佐川醤油より引用。

佐川醤油店 オフィシャルサイト
取扱い品目 甘露しょうゆ製造販売、各種醤油製造販売、ふりかけ製造販売、、こな納豆製造販売、、乳酸菌入納豆製造販売、金魚ちょうちん販売、フリーズドライ納豆販売、スプレー醤油製造販売

大分フンドーキン醤油の甘い醤油

大分の醤油も甘いです。もともと甘みは砂糖を使っていたわけですが、サトウキビ、沖縄琉球、薩摩藩、となると九州に甘い醤油が多い説明として原料の関係があるのかもしれません。

個人的なことかもしれない

個人的に人工甘味料ステビアやサッカリンや甘草の味が苦手です。それらを使用している甘い醤油は、日持ちはよいのでしょうが、正直後味が良くなくあまり美味しくないと感じました。

まとめ

漁師や船乗りは船上で調味済みの便利なあわせ調味料を重宝したでしょう。潮風にふかれるため甘い味を好みました。広域には、または内陸では辛口の醤油が好まれる一方で、港町や漁師町など沿岸部では甘口の醤油が好まれました。地域的な偏在を説明するために「海の民、漁師料理」「船の流通」が関係しそうです。私の家も甘い味が好きでばあちゃんは何にでも砂糖を入れる「砂糖がごちそう」の人だったけど海沿いの人種です。

伊勢の調味料が程よく甘くて私の好きな味だったので、懐かしい気がしました。長文にお付き合いありがとうございました。今は青柳が旬で美味いです。春は概して貝がうまい。スーパーに伊勢の青柳があったので、これを伊勢の甘い醤油に浸して食ったら青柳から滲み出るダシと伊勢醤油の甘味が渾然一体となって美味い、まるで貝のスープを飲んでいるようでした。

コメント

  1. 伊勢角屋麦酒で4パイント!(゚д゚)!
    おぉ~、羨ましい~~

    クニちゃん、ググりました(^.^)
    「さかな屋クニちゃん」で合ってます?
    伊勢方面へ行ったら寄ってみたいと思います(^^)/
    そして、伊勢の甘い醤油も、探してみます(^_-)-☆

  2. yopioid より:

    あってるよ!さかなやくにちゃん。
    手こね寿司500円でコスパ最高です。
    具もたっぷりでホテルの夜食に良いです。ずっしり重い。
    季節によって魚は変わるようですね。
    東京駅八重洲で飲むと値が張りますが、伊勢神宮店だと伊勢角屋、パイント710円。
    値段につられて飲みすぎました。。。

  3. 500円はすごい!!
    コスパは重要です(*^^)v
    パイント710円はいいですね~。
    値段と味とでビールがすすんじゃったんですね(^^)/
    でも、消毒ですから(^_-)-☆って違うか…。

  4. yopioid より:

    どうも、アルコールの量が多くて消毒が過ぎたのか、
    健康常在菌まで流れちゃったのかはわかりませんが、
    伊勢から帰ってからお腹の調子が。。。
    でもこれでだいぶ清い人間になったのかもしれない、などと独り言をいいながら
    お腹を押さえています。

  5. 「いいえ」で良かったかな…??
    大変でしたね…(^-^;

  6. yopioid より:

    尾籠な話でごめんなさい。

  7. いえいえ、私も胃腸は弱いですから(^-^;

  8. yopioid より:

    ごちそう残してませんか?(´ω`)
    私が片付けますよ!