昆布を食べて育つ花咲ガニ 花咲港にあふれるキリル文字

根室、花咲港で水揚げされる花咲ガニ

花咲蟹は根室、花咲港(太平洋側)の特産。根室は半島で、オホーツク海側の根室港区と太平洋側の花咲港区とをあわせて、広義の根室港という。根室港区ではサンマ、花咲港区では花咲蟹とサンマ。サンマは水揚げ日本一、二位が気仙沼港。8月末には蟹祭り、9月にはサンマ祭りが開かれる。

昆布を食べて育つ花咲ガニと鉄砲汁

花咲蟹は昆布のあるところに居るのでコンブガニの別名をもつ。うまく手で持たないとトゲが痛い。トゲトゲの外観で獰猛かと思いきや昆布を食べて育つ”草食系”。夏に旬がある。9月に訪れ、数週間前に花咲蟹祭りがあったようで、まだ大丈夫かな?「大八食堂」で注文。アカウミガメは肉食で肉がくさいが、正覚坊(アオウミガメ)は草食で肉が美味しいと漂流記で読んだことがある。

常連客が「血圧が高くてラーメンの汁を全部飲むか迷う」と店の人と話しながら、結局カニラーメンを最後の汁の一滴まで美味そうにすすっていた。カニラーメンが地元の人に人気のようだ。

そんなやり取りを見ながら待って、運ばれてきた花咲蟹、身は海老のようにプリプリ。タラバの近縁、ヤドカリの仲間。外子(卵)内子(卵巣)があった。お店の人がチョキチョキ切ってくれた。箸で突き出すとコロリと身が落ちるよ、と食べ方を習う。塩味がついていて、そのまま何もつけずに食べる。茹でたてはもっと美味しいだろうな。

無心に食べていたら熱い鉄砲汁がきた。鉄砲汁はカニ入りの味噌汁の北海道での呼称。ハナサキガニを使用する味噌汁を暗に意味する。なんで鉄砲なのかというと、箸でつついて身をせせり出す様子が、鉄砲の弾込めに似ていることによる。

花咲港周辺はママチャリに乗ったロシア人をみかける

花咲港区は外国貿易船(90%ロシア船で構成される)受け入れ港で、港と街にはキリル文字が溢れている。「北方領土は日本の領土です、ようこそ日本へ」と書いてある看板があった。ロシア船での輸入は水産物とりわけウニ(ロシア人は食べない)が全体の86%となっている。

ウニって外人にはゲテモノ食いと思われているようだ。納豆チャレンジ動画みたいな、ウニチャレンジ動画があった。無理して食うなよ、バカ舌め!ケチャップどっさりかけてハンバーガーでも食ってろ!と申し上げたい。

船を降りたロシア人が自転車で根室市内へ向かっていた。金髪でギョロ目でママチャリが小さく見えた。しろくまか赤鬼のサーカスかのようだ。ロシア人相手の酒場や商店もあった。花咲港ばかりでなく、根室市内もロシアの不法占拠を咎め立てるプロパガンダ看板が溢れていてなかなか良い雰囲気。

キリル文字を調べてみた

看板のロシア語の単語を調べてみる。

<黄色>

Добро пожаловать в Немуро !  ようこそ根室へ!(定型句)

(ダブロー パジャーラヴァチ ヴ ネムロ)

<青 最初の二行>

Дружбу между народами укрепит возвращение четырех островов.

(ドゥルーズブ メズドゥ ナローダニ ウクレピト ヴォズヴラシュチェニェ チェティレフ アスタラヴォヴ)

The friendship between the peoples will be strengthened by the return of the four islands.

(四島返還で友好が強化されますよ≒はよかえせや)

дружбу druzhbuドゥルーズブ friendship

между mezhdu メズドゥ between or among

народами narodami ナローダニ people оr nation

укрепит ukrepit ウクレピト to strengthen, to consolidate, to fasten, (third-person singular future indicative perfective of укрепи́ть (ukrepít)

возвращение vozvrashcheniye ヴォズヴラシュチェニェ return

четырех chetyrekh チェティレフ 4つの

островов. ostrovov アスタラヴォヴ 島 островのplural

<青 最後の二行>

”северные территории”  severnyye territorii  セヴェルニェイェ テリトリイ 北方領土 pl. form

исконно-японская iskonno-yaponskaya イスコノヤポンスカヤ 日本固有の

земля zemlya ゼムリャ earth, land, ground, territory 領土です!!!!

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