2019/08/01 初出 2021/01/18 更新
厳島神社の陵王の舞がこわかった、ギョロ目で。
父が宮島出身ゆえに厳島神社は身近にあり、奉納される陵王の舞をみることもあったが、あのお面のギョロ目がどうも子供の私には苦手で恐ろしかったんよね。このギョロ目にベトナムの遺跡で出会う、というお話です。
そのお面や舞踊を伝えたのが、今のベトナムにあったチャンパ王国(林邑とも称する)で、船に乗ってはるばるおいでちゃったんじゃね。というのは間違いで、聖徳太子の時代に大阪四天王寺で雅楽が始まり、平清盛時代に四天王寺から楽所を厳島に移したことが由来です。雅楽の一部を「林邑楽 りんゆうがく」といい蘭陵王は林邑楽の一つ。「music produced by チャンパ王国」なんよ。
この度お邪魔したベトナムのミーソン遺跡は古代チャンパ王国の聖なる遺跡、ヒンドゥー教シヴァ派の聖域、レンガ作りのチャンパ塔など7世紀から13世紀にかけての遺構が残っておりますが、ベトナム戦争の爆撃でかなり破壊され、訪問した折も補修作業をしていました。ここミーソン聖域でもあの蘭陵王が舞っとったんじゃろうか。
陵王の舞をつたえたチャンパ王国はインドのヒンドゥ文化、インドシナ半島に存在した
東南アジアにはインドから伝わったヒンドゥー教がひろまって、インドっぽい文化が広まった時期があって、その一つがチャンパ王国。建築にすぐれ海上交易を中心とした商業活動で財をなした。日本との交易も活発。17世紀頃に勢力を失った。ミーソン聖域は山奥にあるが、海洋国家だったということ、その聖域。
海に近いホイアンからバスで揺られて奥深いミーソン遺跡に到着するなりベトナム軍のジープがお出迎え。
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バスを降りて緑の中を進むとミーソン聖域に到着。ガイドさんはきっとチャム人。あんなジープを見たあとなので、ガイドさんがベトコンにみえる。
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ガイドさんがなかなか笑わない、客もひきつる
このガイドさん顔がベトコンなので、笑っていいのか一同戸惑っている。
ここ笑うところでしょ、というところでひきつっている感じがする、
ガイドが自分が言って笑って、そこでやっと一同笑う。
だんだんガイドさんの顔もほぐれ、客もほぐれてきた。
7世紀から13世紀ごろの遺構が残っています。4世紀頃から聖域となったようです。
もちろんインド系の文化。
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古いレンガは黒化し、補修部分は明るい茶色で区別がつくとガイドさん。上の写真は黒っぽくて古いと推定できる。また、セメントを使わない工法が技術的に評価されている。セメントのことをモルタルと言っていた。
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新しい方は明るい茶色。しかもモルタルがちらほら見える。
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古いレンガは黒くて、苔むしている。
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パゴダの内部を見上げる。セメントなしとはすごい。何百年も倒れないで建っているのだからコレもまたすごい。
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いまだに解読されていない碑文。チャンパ王国で使われていたチャンパ文字
インドのシヴァ神の男性器とパールバティーの女性器をかたどる、御神体
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ガイドさんによると、中心の円柱部分をリンガといって男根を象徴、リンガにまるで墓石に水をかけるように上から水をかけると、流れ着く先に女性器をかたどった排水路がある。この水を飲むだかどうだかすると子を授かると。願掛けの御神体なのだな。ミーソン聖域、ミーソン性域・・・
ヒンドゥー教ではリンガはシヴァ神の男性器、子宝を望む女性がリンガに触ると妊娠するという言い伝えもあるそうな。リンガにくっついているヨニと呼ばれる女性器、こちらはシヴァ神の妻であるパールバティーの性器とのこと。神様のチンポコや神様のチョメチョメをあがめたてまつる宗教、すごく楽しいです。
シヴァは教学上は破壊神ですが、民間信仰ではそれにとどまらない様々な性格を持ちます。創造の神、子孫繁栄の神などなど。
家に帰ってしらべたところ、「ヒンドゥー教のシヴァの寺院では、人物シヴァの姿ではなく神体としてシヴァリンガ(ちん○)がシンボルとして安置されており、それが礼拝の対象になっている。シヴァリンガ(ち○こ)は、リンガ(ちん○)とヨーニ(まん○)の2つの部分からなり、内側が受け皿状の円形または方形のテーブルの横に油が流れ出る腕が付いているヨーニ(マン)の中心部に、リンガと呼ばれる先の丸い円柱(チン)が立っている。ヨーニは女性器の象徴で、リンガは男性器の象徴であり、性交した状態を示す(まあいやらしい)。ただし、我々は性交しているシヴァを女性器の内側から見ている形になっている(内視鏡みたいだな)。これは、シヴァ神が女性と性交をして現われたのがこの世界で、それが我々の住んでいる世界という意味になっている。」
最後のところで格調高くなっているようです。水じゃなくて油なのか。
また、シヴァが住むとされるカイラス山自体もリンガとして崇拝される、あの五体投地しながら山を巡礼するところだね。
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遺跡を見てたら、陵王のギョロ目みたいなのがいる。。
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このあたり、ちょっと陵王のお面の感じが。。
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これなんか、陵王に瓜二つで似てる気がする!!ギョロ目つながり、です。チャンパ王国から蘭陵王が、やっぱり本当にチャンパ王国から来た感じがしてきました。
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新旧のレンガが入り混じる。
インド人は目がギョロッとしとるから、ギョロッとした怪物を表現するとき、もっとギョロッとさせにゃいけんからモノスゴイギョロッとつくるんかもしれん。陵王の面はギョロッとさせすぎなんよ。
参考 ミーソン聖域 Wikipedia
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