最近、仕事の一部を電話でしており、直接にお出でになったお客さんには日頃聞けない話をうかがったり、少し時間をかけて雑談をしたりしています。皆さん、話す機会が無いようで、呼び水を向けると話が止まりません。
「芸妓がするようなもんを成人式にしてくるのがいるんだよ、”稲穂のかんざし”をね、成人式にね。」
カメラマンを生業としている一回り以上年配の男性のお客さんがそう嘆いておっしゃいます。正月開けて初めての幕の内のお座敷で、芸妓が付けるようなものなのだそうです、稲穂のかんざしは。意味合いとしては豊穣なのだけれど、使われる場所はそういうお座敷に限られるようです。芸者衆の写真も撮ってたからわかるんだ、と。
「あんな稲穂のかんざしなんか付けてたらお嫁に行けやしないよ」
「最近の人は着物を着こなせない。着物というのは椅子に座ったりして着物が崩れたら自分で直しながら着る物、それをしないから、タクシーに乗ったあと帯がランドセルみたいになったり、お尻が上がって足が裾から見えたり、胸がはだけたり、振袖をタクシーのドアに挟んだり・・・」
とそのお客さんの嘆きは続きます。私も女性の着物姿はハッとしますがあまり詳しいことは知らなくて興味を持って聞きます。
「写真を撮る時に立ってポーズするでしょ、最近の若い子は足を揃えないんだ、仁王立ち、もうね、関取かって!!」
「立位で足を閉じられなくても、重心を片脚にかければ揃えられる、それができないんだよね。着物着る機会が減ったから仕方ないね。着ても浴衣ぐらいだし。」
成人式でとにかく目立てばいいということで、花魁の格好をするのも一部で流行っているらしいです。肩をモロに出したり。京都大学の卒業式並みの混沌状態。嘆かわしい限りです。いや、京都大学卒業式の混乱ぶりは真剣にやってる感じがするので逆に大好きです、わかってます、私の依怙贔屓です。
いつも読んでいただきありがとうございます。
コメント
髪結としては毎年この珍騒動に付き合っておりますが、僕の地区の成人は最近かなり大人しくなりました。
以前はチョンマゲや花魁はあたりまえでしたが。。
僕も以前は正月三ヶ日は着物で過ごしていました。
気分がしゃんとして良いものです。
着慣れていくと、自然と正しい姿勢振る舞いになっていきます。
ただ値段の高さと扱いの面倒さがネックですよね。
おはようございます。ちょ、ちょ、ちょんまげ??!!ですか。
今さっそくググったらちょんまげの成人式が結構出てきてニヤニヤしてます。
私も髪のあるうちに一度ちょんまげをやりたかったんです。
来月行きつけのところで頼んでみます。
ついでに白い馬に跨って浜を駆けって「ひかえおろう!」って言ってみたいものです。
あ、いま彼らの気持ちがわかりました。。。
まあ、私がやっても志村けんみたいになっちゃうんでしょうけど。
貴重なお話をありがとうございます。
男性の和服もかっこいいですね。剣道の胴着袴ぐらいしか私には経験が無いですが
テレ~ンパレ~ンがピシャっとなりますね。
笑)その男の子もおしろいに真っ赤な袴でバカ殿やってました。
そんな彼も今では立派な社会人です^ ^
ぶはははははwww
かつらではなく、地毛を利用した本物。こだわりがすごいです。
コメントありがとうございます~