群馬県と新潟県との間に山脈が壁のように横たわる。容易に乗り越えることはできない。群馬側、奥四万湖の北にその山脈が立ちはだかり、車の行ける公の道は四万川ダムで途切れる。その先は山ヒルやニホンカモシカが生息する山につづく道がある。
明治大正期の手の混んだ土木建築(駅や日銀本店、学校、岩淵水門など)が好きだ。石積みの堰堤(えんてい ダムのこと)も味があっていい。欧風を頭に描き、憧れや形而上的なものをカタチにして古城のように装飾した建物をみると、理想を掲げて努力した先人達の活気を感じる。忍び返しのような反った石垣をもつ手作り感のある堰堤もその頃作られた。現在も稼働する土木遺産として各地に残っている。
予見なく接した四万川ダムの印象は微妙であった。明治大正の堰堤と比べ、バブル期に建てられた美術館みたいに”味”がない。ダムにしては装飾が凝っているが、明治大正のとは違う比較的新しいデザイン。石積みのパターン、やる必要があるのだろうか。まるで集合住宅の壁材のようだ。装飾や曲線を限界まで削いだ昭和中頃の近代建築風でもない。新しめだから多分昭和50年頃か、調べると着手が昭和55年で結構当たっていた。デザインはともかく下流域の四万温泉などを洪水から守るために重要な役割を果たしている。
湖面のブルーを見て、摩周湖のブルーを思い出した。四万湖の湖水は酸性が強いそうで摩周湖も有機物が少ない。四万湖のブルーは、湖水に含まれるアロフェン(アルミニウムケイ酸塩粒子)のレイリー散乱によるものと考えられている。北海道美瑛の青い池もアルミニウムだった。
四万川ダム、ダム湖名が奥四万湖。
四万湖のブルーはアロフェン(アルミニウム珪酸塩粒子)のレイリー散乱。
以下は過去に私が北海道に行ったときの写真。
北海道美瑛の青い池と白髭の滝の青の成因はアルミニウムのレイリー散乱と、コロイド白濁によるミー散乱。
摩周湖の青の成因、有機物の混入が少ないことや急激に深くなっていることとその透明度から青以外の光の反射が少ないため。
光の成分のうち青色光は深達する。赤い光や青以外の色は深達するまえに水に吸収されて消えてしまう。赤い色の光は特に浅いところで水に吸収されてしまう。だからプールくらいの深さだと緑と青が残るのでエメラルドグリーンに見える。もっと深いところだと青く見える。水中にプランクトンが多いと赤い波長を発する。汚れた海は赤い→赤潮。
レイリー散乱 空が青い理由。短波長光(青)ほど多くの光を散乱する。空の青は散乱した青い光を見ている。長波長光(赤)は、あまり散乱しない。夕方太陽光は空気を通過する距離が長いので、青い光は散乱してなくなり赤い光だけが残るので夕日が赤く見える。
いつも読んでいただきありがとうございます。
コメント
ダムというと、黒部を思い浮かべますが(行ったことはないけど(^^ゞ)ここのダムもすごいですね~。
ダムや湖の色、そういう理由だんたんですね!!
勉強になりました(^^)/
黒部ダムには近々行く予定です。
個人的な興味が物理化学方面に偏っているのは自覚しています。
拙い説明にもかかわらず、いつも読んでくださりありがとうございます。
吉永小百合さんがJRのCM撮影のために四万川ダム訪れたそうです。
定番の場所があって、吉永小百合さんと同じポーズをするのが「バエル」
というのでやらされました。載せたいのですが、恥ずかしいのでやめました。
黒部ダムいいですね~。
いえ全然~。私には少し難しいですが(笑)、そうなんだ~って思って読んでます(^^)/
吉永小百合さんのCM、検索してみました。
そういうスポットがあるなら多分、自分もやると思います。
写真、見たかったです(^^)/
超おっさんの吉永小百合でびっくりして心臓止まったらイケないのでやめておこうと思います。
そこまでいうて出さんのかい、このドケチクソと、旅する栄養士さんにもし言われたら立ち直れないので、
週末にページ作ってみますのでご容赦を。
限定公開ならなんとか。。
すいません(^-^;
写真を出せないのは私も同じなので、無理言いました。
気にしないでくださいね(^_-)-☆