ウルトラマンの怪獣消しゴムでやるトントン相撲でキングギドラの名前を覚えた、それが強かったから。だが実際のウルトラマンをあんまり熱中して見なかった。ゴジラの古い映画も見ていないし、シン・ゴジラもみていない。ウルトラマンの敵がゴジラだと勘違いしていたくらい。ウルトラマンもゴジラも円谷英二の作品ではあるが、まずゴジラという昭和の映画が先にあった。一方ウルトラシリーズはテレビ用で。映画ゴジラのような特撮作品をテレビでお茶の間で見せたいという円谷の意向でテレビ番組のウルトラシリーズが後続した。つまり映画ゴジラとテレビのウルトラマンとは基本交わらないはずで、ゴジラvsウルトラマンというのがあった場合、のちに商業的にコラボしたものという理解になる。ゴジラの最新の映画を見てきた。ゴジラ-1.0。
以下登場した科学的なことや軍備に関してメモ。
ゴジラを泡で包んで、沈めてやっつける方法、これはアルキメデスの原理。
名古屋市科学館のアルキメデスの原理の記事を引用。
船の周りに泡を発生させると沈む。理由。船が排除した海水の重さ=浮力。船の重量=浮力、になったところで釣り合う。ところが泡を多く含む海水の場合、船が排除した海水の重さが軽くなるため、浮力が小さくなる。(極論すれば水1%泡99%だと排除した海水の重さは100分の1になり浮力も100分の1)名古屋市科学館のぽこぽこタンクはそれを体験できる。http://www.ncsm.city.nagoya.jp/cgi-bin/visit/exhibition_guide/exhibit.cgi?id=S230&key=%E3%81%B5&keyword=%E6%B5%AE%E5%8A%9B
続いて震電。
映画ではゴジラの口に爆弾を満載した震電が特攻する。
震電は第二次世界大戦末期に大日本帝国海軍が試作した局地戦闘機だが未完成。映画ではコレが武装解除されず残っていた設定で流用。前翼型の独特な機体形状で水平尾翼を廃し主翼の前に水平小翼(カナード)を設置した形態。すごくかっこいいと個人的に思う。単胴前翼機は各国試作機止まり。イタリアのアンブロシーニ SS.4、アメリカのXP-55 アセンダー、イギリスのマイルズ・リベルラなど。
映画ゴジラで使用された震電のレプリカは、太刀洗陸軍飛行場あと、筑前町立大刀洗平和記念館に展示してある。
ベイルアウトに射出座席が用いられたのはドイツが最初で、ゴジラの震電に後付け搭載され主人公は生き延びる。震電後部にプロペラがあり、のそのそ自力脱出すると当たってしまうから射出座席が必要。特攻直前に脱出する仕組みなど、当時の知覧の特攻機にはもちろんなかった。
重巡洋艦高雄 ゴジラをやっつけるためにシンガポールから出撃。主砲を斉射しゴジラを沈める。
重巡洋艦高雄は1932年横須賀で竣工。主に南方戦線に従事。ガダルカナル島の戦いではトラック泊地を拠点に数々の激戦に参戦。1944年のマリアナ沖海戦には大和とともに参加。レイテ沖海戦にも参加。1944年10月米潜水艦「ダーター」により大破。レイテ沖海戦では愛宕、摩耶も撃沈し第四艦隊は壊滅。重巡洋艦高雄は駆逐艦の手を借りてシンガポールになんとか到着。終戦までシンガポールで修理。その高雄がゴジラに出て活躍。ワシは高雄が主人公のような気がしている。
駆逐艦雪風もゴジラに登場する。大東亜戦争時の主力の駆逐艦(甲型駆逐艦 陽炎型夕雲型)三十八隻で唯一終戦まで生き残った。出撃暇なく東奔西走し終戦まで生きながらえた名駆逐艦。雪風は激戦をくぐり抜けながら沈むことがなかったため「呉の雪風、佐世保の時雨」と讃えられた。ミッドウェイ、ソロモン、レイテ沖、大和の沖縄特攻にも帯同するなど大きな海戦に参加したが大きな損傷なく終戦を迎えた。戦後は台湾に引き渡され「丹陽」に改名。退役後、舵輪と錨が広島の海上自衛隊第一術科学校に返還され展示されている。
駆逐艦、響は舞鶴で竣工、三度の甚大な損傷でも沈没せず、終戦まで生き残った。ゴジラでは高雄、雪風とともにゴジラと交戦した。響は戦後ソビエト連邦に取られた。
さて、蛇足。映画はとてもよかったのだが、映画館の爆音が苦手だ。特に予告編がはじまると来たことを後悔する。人が泣き叫ぶ声、苦しみ呻く声、爆発音、ズシーンという意味のない効果音、扇動的楽曲、拷問だ。グロテスクな世界を見に来たわけではない。映画の宣伝は本当に馬鹿げている。
そんな映画館嫌いのワタシがおすすめします。ゴジラ、ご覧になって下さい。結構面白かったです。
コメント
嬉しいかな悲しいかな私も円谷プロの怪獣世代です。
最初テレビで見たのは「ウルトラQ]でした。
手作り感のある特撮が子供心にも分かったのですが、楽しみの番組でした。
ゴジラは確かに映画で見ました。大きな画面の迫力に感激したものです。
確かに今はジェットコースターと同じで苦手かもです。
ゴジラを退治する方法?希望から言えば退治しないで欲しいです(笑)
コメントありがとうございます。池のヌシを退治すると祟ることを、我々日本人はしばしば経験しております。ゴジラも自然界の使者かも知れません。国東の鬼会のように手厚くおもてなしして戒めをいただいて帰っていただくべき存在かもしれません。鬼退治という勝者の歴史創作より、鬼をお招きするほうが日本人の感性に合います。ゴジラもそうかもしれません。。。ほんとか?!!