立石から青砥を徘徊

休日、もつ焼きの名店“宇ち多”へ。呑兵衛の聖地。ブッダガヤ、ベツレヘムに匹敵。葛飾区立石にあります。うちだへ行くことをうちいり(討ち入り)などと勇ましく言ったりもします。

なぬ!今日に限りお休み。トホホ。1時間かけて三年ぶりに巡礼にきたのですが、御縁が無いのかもしれません。討ち入りどころか門前払い。人はモツ焼きのみにて生くるにあらず。神様の思し召しか、今日は飲む日ではないようです。不飲酒戒と気持ちを入れ替え、仕方なくトボトボと立石駅通り商店街を彷徨くうろつく。昼下がり、化粧もしていないユニクロのような服を着た主婦、草臥れた初老の男女を散見しました。

転んでもただじゃ起きんよ、周囲に面白いところは無いかな。地図上、大蛇のような中川が“七曲り”しているのがおわかりでしょうか。現代の荒川流路によって中川はバッサリ分断、下流は平井水門で仕切られ、荒川増水時のバックウォーター防止対策がされています。高砂青砥のあたりから海へ注ぐ直線的放水路も整備され、かつての荒くれの大蛇中川はズタズタに斬られ、血抜きもされてクタクタになっております。

大変穏やかでクタ感ありの中川さん。上流には奥戸橋。オクトバシ。アタマの中に八本足のタコが浮かんできた(それはオクトパス)。

中川と荒川は並走し、東京湾に向かいます。その間は仕切られテープ状の中洲となっております。その荒川中洲南端の風景は呪術廻戦というアニメに出て来るそうです。総武本線を渡河するたびにこの中洲を見て、いつか歩いてみたいと思いつつ、いまだ実現をしていません。

中川の川っぺりにひしめく住居群に見入ると香ばしい二大政党の張り紙が若干目立ちます。Googleマップで“史跡”を検索し立石の地名由来である立石様がヒットしたので行ってみます。さぞかし立派な寺社であろうことを期待しつつ。

住民のお爺さんが怪訝そうにこちらを見てくるので、これ幸いと会釈「こんにちは!恐れ入ります、立石様はどこでせうか」そこをちょっといって左、とニッコリ教えてくださった。お宮があるのか聞いたら、無いね、と申し訳無さそうな顔をされる。

んー、そういうことね。なんじゃこれ感、コレジャナイ感。巫女さんもいないし、お坊さんもいない。公園で遊ぶ子どもたちの歌声だけでした。案内看板を読んでいたら子供が足元のけん玉を取りに来ました。

この中心に埋まっているのが立石様。もともと高さ60cm地上に突き出していたそうで、人々がご利益を目当てに削りに削り、ちびちびにちびてこの有り様。もとは立ってた石だったから“立石”。御神体を削るとは。立石様は寒さに弱いので、冬になると縮み、暖かくなると元に戻るという伝説があるようです(ワイのお稲荷さんもその伝説あるで)。立石様は古墳時代に房総から運んできた石で、加工が容易な鋸山産の房総石。古墳がこのあたりにもあったのか。

葛飾区史によると、南蔵院裏と熊野神社に古墳がありました。https://www.city.katsushika.lg.jp/history/child/2-2-2-21.html

さて、もう少し歩くと安倍晴明さんが建てた熊野神社がありました。陰陽道の木火土金水で構成する五角形と八咫烏がトレードマーク。本物のカラスが草取りをしているおばあさんにチョッカイしていました。

徳川家に大事にされたお社のようです。

敷地も五角形です。五芒星は悪魔祓い、魔除けに効果があり、陸軍のは弾除けだそうです。

まじかる☆タルるートくん、五芒星だったのだね。つのだ☆ひろ、漫☆画太郎、長島☆自演乙☆雄一郎。。幽☆遊☆白書、らき☆すた、遊☆戯☆王、きまぐれオレンジ☆ロード、ザ☆ウルトラマン、魔法少女まどか☆マギカ。

関東☆財務局、税務署☆、財務☆省、朝日☆新聞。☆をつけても嫌なものはただ単に痛くなるだけでした。

立石、宇ち多(モツ焼き屋さん)しか知らなかった不明を詫びます。あ、もうひとつ知ってます、立石はトミーのお膝元でおもちゃ工場で栄えた街でもあります。モンチッチ、プラレール、トミカ、リカちゃん、全部立石の製品です。

長谷川精米店さんでおせんべいの割れ物(たっぷりはいって200円)を買って青砥駅までバリボリバリボリ美味しい!

京成青砥駅です。

ButuCC の作品 

青砥駅前で結局飲みました。もつやき小江戸さんで“小江戸ハイボール”を5杯。煮込みは白味噌味。隣の76歳の男性とふとしたきっかけで雑談がはじまり、と言っても9割傾聴ですが。変幻自在の七色の首肯の術☆、どんな話でも膨らませる方円の器の魔術☆を用いて。小江戸の店主は亀有の”江戸っ子”というモツ焼き屋で修行し独立、江戸っ子のころからその先輩は行きつけでした。下町の飲み屋は会話があるので一人で行っても楽しいです。

青砥駅のバイオリンを弾くヨハン・シュトラウス像、付近にシンフォニーヒルズというコンサートホールがあり、そこへの導線のようです。その前でストリートバイオリンされている方、めちゃめちゃ上手いのです。プロが素性を隠してやってる感じがしました。ぱん / PAN さんという方でyoutubeもありました。呪術廻戦の曲も弾いています。

中川沿いの熊野神社が陰陽師の安倍晴明公と関連し、呪術廻戦に出てくる荒川中洲は中川が東岸と接します。点と点を線で繋げると、立石・青砥は音楽と陰陽師と古墳のある素敵な街でもありました。モツ焼きと玩具工場だけじゃなかったです。

お読みいただきありがとうございます。

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