旬のものを生産地で食べる、これほどの贅沢はないです。高雄から台湾最南端に向かう途中にマンゴーの産地、枋寮(ファンリャオ)という港町があります。途中下車して港伯氷品のマンゴーかき氷をいただきました。台湾マンゴーの旬は5-7月。最も緯度の低い枋寮から熟れはじめて、台南までマンゴー前線(というのか知らないけど)が北上していきます。新鮮な枋寮マンゴーがどっさり乗っかったマンゴーかき氷を食べました。絶品。7月1日地元民3名とともに開店を待ち、同時に入店しました。


お店の風景。女将さんがとても優しくて親切な方。いろいろなお客さんとニコニコよく話していてお店もお客さんの雰囲気も良いです。


食べかけを失礼。脳天にズシンと来る美味さ。本物はうまい。食べ頃で、熟れてるかどうか選り分ける目が利くのだろう。大盛りのマンゴーの下に、味付きかき氷が出てきたところ。

マンゴー味のついた円柱形の氷をかき氷機にかけ、そのシャーベット状のフワフワを押して敷き詰め、その上にどっさりマンゴーを乗せてあります。土台のシャーベットだけで味がありますが、マンゴーの濃密な味わいをこのシャーベットが緩衝し、冷たさを加え、和えて食べると誠によく合って、水っぽくもならないです。
正式なメニューは「芒果鮮果雪花冰」で季節限定。150TWDです。
冰、にすいに水、これは氷の意味で、氷の旧字が「冰」です。冰→氷、冰=氷。雪花冰(シュエファービン)の発音、シャーベットから来ているのだろうか?

龍眼の花蜜を使ったマンゴージャムをかき氷屋さんで売っていたので買って帰りました。お茶に混ぜても美味しいです。
昼ご飯のお店が近くにあるかたずねたら、女将さんがリーズナブルな魚スープの店までの地図を書いてくださいました。

「旦那が(私を)案内しろ、というから私がバイクで一緒に行きましょう」と女将さん。忙しそうだし地図でわかりそうだったので「わかります、ありがとう、大丈夫です」と返事をしました。阿秋鮮魚湯にむかって歩き出しました「ミャオ(廟)のところで左に曲がるんだよ」と言われたことを思い出しながら。廟のことを、台湾閩南語では「ビョウ」と日本語と同様に発音、台湾華語では「ミャオ」です。「ミャオ~ミャオ~」と独り言を言いながら廟を左折したところでブーンとバイクの音と女将さんの声が後方から聞こえてきた!「ちゃんとミャオで曲がったね、ウンウン」と確かめに来てくれた!忙しいのに、暑いのに。わざわざありがとう!こういうことが頻繁にあるから台湾人が好きなんだよなあ。
阿秋鮮魚湯の店員さんに「かき氷屋さんが地図書いてくれたんよ、これ!」と私が嬉しそうに見せたら「おおおお!」と地図を見て笑ってなにか面白そうに私に言ってくれましたがうまく聞き取れませんでした。このメモ、ワシの宝物じゃ。鮮魚湯と肉燥飯(ローザオファン)を頼みました。丼に鮮度抜群の魚スープ、平たいアジの仲間と推測、シンプルなネギ塩味で皮まで美味しい。わさび醤油の小皿を店員さんが運んできてくれて、茹だった白身を浸けて食べる、と。あったかいものにわさび醤油?と思ったけどやってみると美味しい。カシラは「すばぶって」余さず食べました。近隣に漁港がありその日の魚が調理されるようです。「阿秋鮮魚湯」の看板料理の期待に違わずうまい。汗をかきまくっていたので塩が欲しかったところでした。スープの魚の旨味と塩気がとても美味しく感じ、全部飲み干しました。


肉燥飯(ローザオファン)は魯肉飯(ルーローファン)と見た目はよく似ていますが味が少しあっさり目でクセがなく食べやすいです。阿秋鮮魚湯の肉燥飯、これも美味かったです。炒麺(焼きそば)を頼んでいる人も多く、胃袋が2つあればなあ、と。
「港伯氷品」と「阿秋鮮魚湯」は互いに近く、この組み合わせはアクセスしやすいしどちらも美味しいです。枋寮はマンゴーの産地以外に、漁村でもあり魚もいい。船大工がたくさんいる街。青い小舟が入江に多数もやわれていて、瀬戸内の風景と少し重なる雰囲気がありました。
お読みいただきありがとうございます。
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