国土交通省国土地理院主催のG空間EXPOに参加。ジオイドの説明があった。
標高測量は手作業であったが、衛星を使う方法と、その補正方法(ジオイド)。
一言でいうと、重力の高いところには水が集まり海面が高くなるため、海面はじゃがいものように実は凸凹しているし山の下に延伸すると平均海面より高い。その仮想海面をジオイドという。
地球表面上の重力は不整である。その地下の構造によって異なる。例えば60kgの体重の人も場所によっては軽く計測されうる。(ダイエットして体重を落とさなくても、場所を移動すれば多少低く計測されうる)。その人の質量は変わらないけれど、重力が強いところで測れば重く計測される。月で体重を測れば重力は1/6なので体重は10kgになるように。地球表面の場所によっても重力分布は不均一である。質量は変わらないが、重量は重力によって異なる。
地球の密度不均一による重力不整は、例えばサーティワンのロッキーロードのようなもので例えると、マシュマロのところは密度が低いのでその上に立って体重をはかると重力が低いから体重計測は低くなる。

密度の高い地質部分と低い部分とが不均一に存在する場合、それによって地球表面の重力は不均一となる。深い洞窟(空っぽ)がある地表の重力は弱くなる。足元の地殻の岩石の密度が高いと重力はおおきくなる。
加えて、赤道は重力が弱い。地球は回転していて赤道面に引っ張られている。つまり真球ではなく楕円球体。回転軸に対して赤道部分が膨らみ断面は楕円である。中心から離れるほど重力は距離とともに弱くなる。極とくらべると赤道では0.5%重力が弱くなる。こちらにおいても地球上の重力は不均一である。
重力の高いところには水が集まり海面が高くなるため海面は凸凹しており、その仮想海面をジオイドという。標高を測るとき、重力を勘案した凹凸のある海表面、ジオイドを基準に標高を設定し直す必要がある。
GNSS(観測衛星みちびき)で計測される高さは重力による海面の不整を考慮しておらず、正確な標高を測るにはジオイド高によって補正をしないといけない。「海抜は海面からの距離」であるから。海面の高さが均一であれば話は簡単だが、上で述べたように重力を考慮した海面は凸凹しており、GPS計測値から、仮想的に定義された海面高を引き算して計測しないといけない。この仮想海面ジオイド、じゃがいもみたいに凸凹している。最下図。
衛星観測で決まる高さ(楕円体高)から、ジオイド高(仮想の海面高)を引いたのが標高。従来の平均海面ではなくジオイド高を引く。
国土地理院HPより引用。↓山の下にもジオイドを設定すると重力が高いので多くは平均海面より高い。

インド洋は赤道に近くてもジオイド高が低い。日本海や南太平洋のジオイド高は高い。
<参考>
準天頂衛星システムみちびきHP
精密重力ジオイドに基づく 高さ基準系の構築に関する研究(国土交通省)
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