足立区散歩

錦糸町駅から東武線に乗り換えて北上します。

早速となりにおむすびを抱えた「リュックサックの巨人」がやってきました。私には特殊な誘引力が昔からあるようで、ちょっと緩めの人たちが何故か隣にやって来ます。横目で巨人をちらっとみると、向こうはとっくにこっちをじっとり見ておられました。巨人は怯えた目をしていました。私は目をそらし自分の足元に目線を下げる。すると次の瞬間巨人は露骨に背中を向けて座り直し、隠すようにお弁当をパキパキと開けてモサモサと食べ始めました。私は少し傷つきましたが巨人なりの配慮であったと考え直し浅慮を反省しました。電車の中の連結部のちょっとした棚を利用して食べていらしたのかもしれないがそれ以上露骨に巨人を観察しては大人げないと思い見ませんでした。ここは足立区なんだ、フリーダム、マインドセットすべきはこちら側、などと思うか思わぬかのうちに西新井駅に到着。

Wer mit Ungeheuern kämpft, mag zusehn, dass er nicht dabei zum Ungeheuer wird. Und wenn du lange in einen Abgrund blickst, blickt der Abgrund auch in dich hinein.

Beware that, when fighting monsters, you yourself do not become a monster… for when you gaze long into the abyss. The abyss gazes also into you.

こっちが覗いたら向こうもこっちをみていたわ(笑)という経験はニーチェにもあったようです。

さて、西新井駅で鈍行に乗り換えます。

お昼時、東武西新井駅ホーム。大師線の起点でもある。大師線の電車が黄色いことを知った後、ホームにうまそうなラーメン屋が視界に。あとで「味安」という旨いらしい店に行く予定なので後ろ髪惹かれながら立ち去ります。

南栗橋行きに乗り換える。久しぶりに東武鉄道に乗ったらこんな新車輌になっていました。もしかしたら連絡している別会社かな。竹ノ塚駅で降り、車で来た友人と合流して足立区徘徊開始。

駅前のケンタッキーフライドチキンの店先にある陽の当たるテラステーブルで、おじいさんとおばあさんが日向ぼっこをしている。おじいさんは新聞を拡げているがチキンを食べている様子はない。老人比率がやや高い印象。

竹ノ塚の八百屋のキャベツが安い!

都営アパートと足立清掃工場の煙突。秋色をあしらい。

都営住宅、一階に料理屋と思しきダクト、表は商店街か中華料理屋かとワクワクしながら表に回ると、

シャッター通りで寒々しい感じでした。唯一空いていた酒屋、酒を置いておらず、駄菓子など取り置きの効く商品ばかり。おばあちゃんとおじいちゃんが商っていて、店内に入るとついてきて私たちの手元を観察したり、よく言えばエスコートですし、カゴも渡してくれるしサービスがよいのですが、やはり見慣れぬ外来客を警戒、監視されていたのだろうな。メレンゲのようなものと湿気たウエハースのようなものが合わさった駄菓子を買い、徒歩食べました。歯で噛み切れない。コシの強いカプリコ、いやゴム・・・。まあ旅はトラブルほど記憶に残る、この不味さをしっかり噛み締めて思い出づくり、と念じても噛みきれない。歩いて生物園へ着く頃には口の中で溶けました。

まるで発泡スチロールを食べているようだ。食べられる発泡スチロール。オススメです(笑)

先の団地から旧日光街道を南下する途中「さんよう」というスーパーに立ち寄る。キャベツ70円後半。竹ノ塚駅前の店より10円高いが足立区は物価が軒並み安い。店先に白菜の漬物がバットに入れて晒してあっていい匂いがしていてヨダレが出た。唐辛子が振ってある。客のおばさんが不器用そうに火ばさみみたいなのでセルフで袋に入れようとして白菜がボタンと落ちて飛沫がおばちゃんにかかった。おばちゃんはちょっとヤレヤレという顔をしていた。

旧日光街道沿いの渋い建物。

ここは殿様も通った日光街道。江戸から千住大橋を経て日光へ向かうとき、かつて草加越谷は綾瀬川流域の沼地で通行が難しかったそうです。避けるように奥州街道は東に迂回していました。沼地に「草」を敷き新道をつけました。結果、奥州街道は直線的に北上できるようになり、その途中に草加宿ができました。造成の際に「草を加えた」のが草加の由来だそうです(参考 草加せんべい物語より)。wikipediaでは「綾瀬川右岸の砂地に発達した土地であり、砂地を意味する「ソガ」が草加となったという説が有力である」とあり、諸説あるようです。

ここは下町低地、上記看板の「川」は最寄りの綾瀬川を指すと思われましたが、足立区のHPを見ると、それだけでなく、荒川、利根川、中川、綾瀬川、芝川それぞれの氾濫被害をも想定したハザードマップが河川ごとに公示されています。linkを下に貼ります。

足立区ハザードマップより引用。

足立区洪水ハザードマップ(平成31年3月改訂)

旧日光街道を東に折れて、生物園に着いたら手前の池でおじさんたちがへらぶな釣り。生物園の中に入ると蝶が舞っていました。

水族館、動物園、昆虫園(特に蝶)がコンパクトにまとめられています。期待以上でした。ヤギのショーがあり、平均台に乗せようと餌で飼育員がおびき寄せるも平均台をハードルのごとく飛び超える一幕も。「ヤギが芸をするはずがないだろう」というお客の期待を裏切らないショー。MCのオネイサン「今日は調子が悪いですねぇ」もこなれた趣、ほんとかよ!笑

動物の名前にチゲ、キムチ、チヂミ、これはどうなのか。ネーミングに閉口した以外はとても努力されている生物園だと思いました。他にも支那人様に配慮してか「アンニン」などという名前もあり眉をひそめました。外国枠でもあるのかね、”多様性”ですからね。ひろし、じゃいけないのかな。

たとえば、ツノガエルを「ひろしくん」にした場合、通りかかったひろしくんが傷つく事はあるかもしれない。チゲちゃんやキムチちゃんならそんな名前の子は居ないだろうという配慮からだろうか。謎だ。

続いて六町の人工的な大通りを南下。

それにしても送電線の多い街だなあ、と思って調べたら、

付近に花畑変電所があり、花畑変電所から北へ伸びる足立線という電線のそばを歩いていたのでした。送電網もナニナニ線と名付け、鉄道みたいです。

系統図
足立線(2013年) - Google マイマップ
足立線(2013年)

加平PAを左に見ながら南下(上図右が南)。青井兵和通り商店街へ。

↑ 創価学会、おっと公明党のポスターが目立ちますネ。

自民党もありました。キッシー。

キッシー、頑張れ。

まんぞく市、絶賛開催中。知り合いのおばあちゃん同士が、「まあとうとうあなたボケたのね」「そうあたしボケたのよ」と病院の待合室みたいな会話をしていた。高齢者が多い。近隣の人しかいないみたい。

綾瀬川を渡る。綾瀬川はかつて、荒れ狂う旧荒川の南西の傍流であり、旧荒川が荒々しく下町低地をヒャッハァしていた同じ頃、その荒川組構成員たる綾瀬川もまた暴れ川として、古の足立郡に洪水被害を何度ももたらしました。今はどうでしょうか?次の写真を見てください。

異様な厚い壁の向こうに綾瀬川が収監されていて娑婆とは隔絶されています。綾瀬川を渡るには、刑務所の門をくぐって接見するように、まず防水扉の開放部に入る。いつでも閉められるように青い扉が控えている。ここからわずか500m下流に東京拘置所が接し、コンクリート壁はまるでそこへ続いているかのようです。

綾瀬川周辺の地盤沈下もあり、自然堤防では抑えきれないため刑務所の壁のような堅牢な構造によって綾瀬川はロックアップされているのですが、綾瀬川には遊歩道も無く、橋を行き交う人々も忌避するように目を向けない。そんな目を背けなくてもいいじゃないの~、と鉄格子越しにニヤニヤ声をかけてくる綾瀬川の声が私には聞こえたような気がしました。ちょっとさみしい姿ですが暴れ川の成れの果て。

歩き疲れて午後三時すぎ、お腹も減ったところで足立区のオアシス「味安」へ到着。私が勝手にそう呼びました、なにせ3時間位歩いた後でしたから。

足立区のパンダグループコンツェルンの旗艦店味安、評判通り美味しかったです。

本マグロ定食と豚角大根煮セット+唐揚げ2個追加、まず申し分なし。

金八先生、あしたのジョーの雰囲気を過剰に夢見てタイムスリップ的なものを望んでいましたが案にたがい、足立区は開発が進んでいて「やれた雰囲気」は探さないと感じられませんでした。万歩計は23000歩。帰り着いたら25000歩。よく歩きました。

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