第一滑走路 34L

「お正月はいかがでしたか?」と客室乗務員さんに問われ「寝正月を決め込み、パジャマでゴロゴロして酒を延々と飲んでいました」と正直に答えるのは憚られたので、もじもじ。カメラがご趣味なんですか?と言われ「最近てなぐさみに始めたばかりでピンぼけ連発のど下手くそ野郎です」と正直に答えることが出来ず、またもじもじ。頭にまず浮かぶ答えがいつも不躾でこまる。つまらない返事をしないように正直に答えようとする→定型文が出てこない、不謹慎なことやシモネタは脊髄反射で思いつくのだが→そんなこと言えないやん→次の答えを探す(フリーズ)

モゴモゴ挙動不審のあげくに「ふ、ふ、富士山、とてもきれいですね」なんて言いながら外を指差してしまう。富士山なんて見飽きておられるだろうけれど、あーそうでチュカー、みたいな表情を微塵も現すことなく、悠揚迫らぬ態度でにこにこ。さすが治に居て乱を忘れない、危機管理のプロの乗務員さんだ。

今年の目標

「いい年なんだから、そろそろ無難なリアクションができるようになろう」

それからまもなくその添乗員さんが放送で「本日は天気もよく、左手にきれいな富士山がご覧になれます」とアナウンスされました。添乗員さんお墨付きで、ちょっと救われました。

好天で、A滑走路(ランウェイ34L)を使用できたため、予定より早く到着しました。羽田沖で進行方向を東向きから北北西に転針し着陸するので、東に進んでいる降下中は富士山の南面を観察、窓の後方にいったん富士山が引いたあと、羽田沖のターンからアプローチのところで再びニュッと富士山が窓に現れ、富士山の東面を観察できました。やっぱり窓側は良いなあ。鉄パイプの入り組む工業地帯からたちのぼる煙を空から見つめ、我が国はよく出来ているなあと胸にアツいものがこみ上げました。

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