魚屋さんの台風観

魚屋さんの話が面白かったのでメモ。台風で漁獲が上がる、と。

雨雲レーダー

台風の目がはっきりわかる。

小学生の頃、台風の目を経験したことがある。つかの間の晴れ、不思議なくらい晴れて青空が見えた。

目の周辺部では上昇気流、目の中心部の上空では下降気流が起きているのだそうだ。

同じ方向に回転している2つの台風が近接して互いに衝突すると、ベーゴマの合戦みたいにガッチーン!と弾きあうだろうか。と思って調べたら、ぶつかることはなくて進路を互いに複雑に変化し合うらしい。確かに台風の合体など聞いたことない。

北海道大学は2020年、気象衛星による”台風の目”の中の風の観測に初めて成功(地球環境科学研究院 教授 堀之内武)目の中にメソ渦と呼ばれる小さな渦が繰り返し発生しているそうだ。

横浜国立大学に台風科学技術研究センターがあって、防災研究(台風制御)とともに、台風のエネルギーの活用研究が行われている。

先週行きつけの魚屋さんが「台風が来ると船が出ないから盆の休み明けは魚があるかわからない、でも台風で海がかき混ぜられると魚が湧いて豊漁になるって言いますね」と。魚屋さんワクワクさせるではないか。魚屋さんの話は商売につながるからリアルだ。海の表面はプランクトンが少なくて深いところの栄養豊富な海水が湧き上がるという意味だろうか。暖流と寒流の境目に魚が湧くのは栄養豊富な寒流の海水が暖流にぶつかって急上昇(湧昇流)するからで、台風で同じようなことが起きるのだろうか。つぎのような理由でも台風のときに魚が釣れるという記事があった。

メバルなど岩場の魚は目が良くそもそも警戒心が強い、台風の後海底の砂が舞い上がって視界が程よく悪くなると警戒心が低下して食いやすくなるのだそうだ。チヌなども波しぶきで剥がされた岩場の餌を狙ってくるので、波があるときのほうが釣れる。また、湾内に沈んだヘドロの淀みが台風後に一掃されてゴカイが生息しやすくなり、回遊魚が湾に入ってくることも(台風後に回遊魚が防波堤でヒットしやすくなる)。逆にイカやタコは真水を嫌うのと濁りを嫌うのとで台風の後は採れなくなる。

台風で釣れる場合がある、ということを知った先人の漁師たち、さぞ興奮したことだろう。まず低気圧だと物理的に魚が浮きやすくなる。曇ると天敵の鳥に見つかりにくいため警戒心が下がる。もちろん良い子の皆さんは台風のときに海に出ちゃ危ないですヨ。

<参考>

湧昇流について 

「フシギなTV」No.9 地球を動かす!対流パワー NGKサイエンスサイト【日本ガイシ】
問題です。真水と塩水、それぞれに氷を入れると、どちらが早く溶けるでしょうか?今回は、身近なコップの中に起こる対流をきっかけに、海の豊かさをもたらす地球規模のダイナミックな対流について紹介します。0:00 真水と塩水では、どちらの氷が早く溶け...

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